Section 5
座 長 坪田 一男
慶應義塾大学 医学部 眼科学教室 教授
1. 新しいドライアイの診断基準と治療
後藤 英樹
鶴見大学 歯学部 眼科学教室 准教授
ドライアイの定義と診断基準はドライアイ研究会により1995年に定められた。すなわち“涙液(層)の質的または量的な異常により引き起こされた角結膜上皮障害”と定義されてきた。その後、この10年でドライアイに関する診断および治療は大きく進歩し、ドライアイの定義と診断基準の見直しが行われ、2006年度版ドライアイの定義と診断基準が発表された。重要な変更点としてはドライアイ症状の有無が盛り込まれたこと、結膜障害の評価がフルオレセインにても可能となったことが挙げられる。ドライアイの治療についても近年大きな進捗が見られ、本講演ではこれらのドライアイ診療の大きな進化を述べてみたい。
Profile◆1994年、慶應義塾大学医学部卒業、同大学眼科学教室入局。1996年、東京歯科大学市川総合病院眼科勤務。2000年、マイアミ大学バスコムパルマー眼科研究所留学リサーチフェロー(SCG Tseng教授)。2001年、Ocular Surface Research and Education Foundation, Miami, Florida留学(SCG Tseng先生)。2003年、飯田橋眼科クリニック院長。2004年、学位取得(慶應義塾大学医学部)、慶応義塾大学医学部眼科学教室助手、慶應義塾大学医学部眼科学教室専任講師。2006年、鶴見大学歯学部眼科学教室助教授。2007年、同准教授。
2. キレーション治療を中心とした
抗加齢医療の実際
満尾 正
満尾クリニック 院長
抗加齢医療という言葉も徐々に浸透し、単なる予防医療だけでなく動脈硬化性血管疾患の治療など生活習慣病に併発する様々な疾病の治療に対しても効果があることが認識されつつあります。当院は過去7年余りにわたりキレーション治療や栄養療法を中心とした抗加齢医療を行っています。キレーション治療とはEDTAをビタミン、ミネラルとともに繰り返し点滴する治療法ですが、同時にサプリメントを用いた栄養療法も合わせて行います。サプリメントを用いた栄養療法は内科領域だけでなく様々な疾患に対しても有効であり、眼科領域においてもその効用が認められているものもあります。今回は当院で行っている検査、治療内容、そして具体的な治療効果についてご紹介いたします。
Profile◆1982年北海道大学医学部卒業。内科研修を経て杏林大学救急医学教室講師として救急救命医療に従事。ハーバード大学外科代謝栄養研究室研究員、救急振興財団東京研修所主任教授を経た後、キレーション治療とアンチエイジングを中心としたクリニックを2002年に赤坂に開設。2005年広尾に移転、現在に至る。米国アンチエイジング学会(A4M)認定医と米国先端医療学会(ACAM)キレーション治療認定医(APCT)の両資格を併せ持つ唯一の日本人医師。 |