Section 4 アンチエイジング
座 長 坪田 一男
慶應義塾大学医学部眼科学教室 教授
Profile◆1980年慶應義塾大学医学部卒業、慶應義塾大学医学部眼科学教室入局。国立栃木病院眼科医長、ハーバード大学留学、東京歯科大学眼科教授等を経て、2004年より現職。日本白内障屈折矯正手術学会常任理事、日本角膜学会理事、日本抗加齢医学会副理事長、日本再生医療学会理事、ドライアイ研究会世話人代表などの要職に就く
Happy People Live Longer
坪田 一男
慶應義塾大学医学部眼科学教室 教授
眼科疾患の90%は加齢関連疾患であり、AMD、緑内障、白内障、ドライアイをはじめとする疾病治療と予防を考えるうえで、エイジングの視点は欠かせない。よって、アンチエイジング的アプローチが大変重要となってくる。アンチエイジングの基本は3つある。
1)栄養バランスのとれた腹八分の食事
2)ちょっときつめの運動習慣
3)ごきげんに生きる!
食事と運動については以前の東京眼科アカデミーでも講演させていただいた。今回はごきげんに生きるーHappy People Live Longer!ーの話である。最近の疫学研究によって、人生を楽しんでいる人の方が病気になりにくいことがわかってきた。この流れを受けて2007年にInternational Positive Psychology Associationが設立され、日本でも日本ポジティブサイコロジー医学会が設立されるに至った。
本講演ではまだまだ新しい学問ではあるが、少しずつサイエンスになりつつある「ごきげんのサイエンス」について紹介したい。
水素による抗酸化作用とアンチエイジング効果
太田 成男
日本医科大学大学院医学研究科
加齢科学系専攻細胞生物学分野 教授
水素分子(あるいは分子状水素。分子式は、H2)には、生体内で抗酸化作用があり、様々な疾患の予防や治療、およびアンチエイジングに用いられる可能性を2007年に示唆した。その後、5年間で水素分子の医学的効用についての論文が200以上発表され、抗酸化作用に留まらず、抗炎症作用、抗アレルギー作用、再生機能の亢進、エネルギー代謝促進効果など多様な効果が示されている。臨床試験もさまざまな疾患に対して行われ、良好な結果がでている。水素分子は、水素分子を溶解した点滴液の点滴あるいは腹腔注射、点眼、水素ガスの吸引、水素を溶存させた水(水素水)の飲用、溶存水素分子お風呂への入浴、水素分子発生クリームなど多様な方法で摂取できる。
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