2013119日(土) 14:50〜19:00
 
14:50〜15:00 Opening Remarks

坪田 一男
慶應義塾大学医学部眼科学教室 教授

 
15:00〜16:00 Section 1 白内障

座 長 常岡 寛
東京慈恵会医科大学眼科学教室 主任教授

Profile1976年東京慈恵会医科大学卒業。1981年医学博士の学位受領後、1985年国立相模原病院眼科医長、1990年東京慈恵会医科大学眼科学講座講師、1996年東京慈恵会医科大学眼科学講座助教授、 2000年東京慈恵会医科大学附属第三病院眼科診療部長を経て2007年東京慈恵会医科大学眼科学講座主任教授就任。

 
フェムトセカンドレーザーは眼科手術を変えるか?

ビッセン宮島弘子
東京歯科大学水道橋病院眼科 教授

フェムトセカンドレーザーは、すでにLASIK (laser in situ keratomileusis)や角膜移植に用いられているが、多くの眼科医が関与する白内障手術への導入となり、注目度が急速に上昇した。新しい技術が紹介されると最初はその素晴らしさが多く語られ、次に合併症に代表される否定的なうわさが広がる。白内障手術の歴史では1980年代に超音波乳化吸引術が導入されたころと同じ現象が起きているように感じる。
最も使用されているLenSX(Alcon社)は、世界で術者が700名以上、5万件近くの実績があるが、本邦では承認を受けていないため、一部の施設で個人輸入かつ自費手術として施行されている。本講演ではレーザーの特徴、世界での使用状況および臨床成績、導入当初から最近までの改良点について紹介し、参加された皆様に眼科手術を変えるレーザーなのか評価していただければ幸いである。

 
新しい眼内レンズ二次挿入術
ー眼内レンズ強膜内固定術のすべてー

太田 俊彦
順天堂大学医学部付属静岡病院 先任准教授

最近欧米では、新しい眼内レンズ(IOL)二次挿入術としてIOL強膜内固定術が注目を集めている。その基本術式は、眼内に挿入したIOLの支持部を鑷子で把持して強膜創より眼外へ抜き出し、その支持部先端を強膜トンネル内に挿入して固定するというものである。縫着糸にてIOL支持部を毛様溝や扁平部に固定する従来の縫着術と異なり、眼内での固定は良好でIOLの偏心や傾斜もほとんど認めない。本術式の概念はGaborらが2007年に初めて報告したが、実際に行ってみると手術操作が難しく普及しなかった。2008年にはAgarwalらがフィブリン糊を用いる術式を報告したが、フィブリン糊は接着力が弱く術後低眼圧を高率に発症する。演者は「Y-fixation technique」を用いた新しいIOL強膜内固定術を考案し良好な術後成績を得ている。本講演では実際の手術手技と術後成績、本術式のポイントと適したIOLについて解説する。

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16:00〜17:00 Section 2 眼炎症

座 長 後藤 浩
東京医科大学眼科学教室

Profile1984年東京医科大学卒業、眼科学教室入局。1987年東京医科大学眼科学教室 助手。1988年国立感染症研究所研究員、1988年南カルフォルニア大学眼科ドヒニー眼研究所研究員、1993年東京医科大学眼科学教室 講師、2002年東京医科大学眼科学教室助教授、2006年東京医科大学眼科学教室教授、2007年東京医科大学眼科学教室主任教授、2009年東京医科大学病院副院長

 
細隙灯顕微鏡所見から考える
ぶどう膜炎の鑑別診断

後藤 浩
東京医科大学眼科学教室 主任教授

何かと厄介で治療にも難渋することの多いぶどう膜炎を確実に診断していくための方策は、全身的な検査でもなければ内科の先生に相談することでもなく、何よりも眼所見をしっかりと経時的に観察、評価していく事に尽きます。すなわち、眼所見と臨床経過が既知のどの疾患に該当するのか、しないのかを判断し、的を絞っていくことが最終的に正しい診断に繋がっていきます。
そうは言ってもよくわからないことの多いぶどう膜炎ですが、演者自身も決して好きではないこの疾患の診断、とくに細隙灯顕微鏡による前眼部の炎症所見の診かたを中心に、日常の診療で考えていることをお話しさせていただきます。

 
2. 眼表面の炎症
〜感染それともアレルギー〜

福島 敦樹
高知大学医学部眼科学教室 教授

かゆみを認めたからと言ってすべてがアレルギー性結膜炎ではありません。臨床症状、臨床所見から流行性角結膜炎やドライアイを鑑別することが重要です。このように全く異なる疾患を鑑別するだけではなく、アトピー性皮膚炎を合併する場合、ヘルペスやブドウ球菌などの感染症を念頭に置く必要があります。アトピー性皮膚炎を伴うような重症アレルギー性結膜疾患に対して、免疫抑制点眼薬が使用可能となりましたが、免疫抑制点眼薬はその名前の通り、免疫を抑制するため必然的に感染を助長する可能性があります。本講演では感染かアレルギーの鑑別に役立つ情報を提示できればと思います。

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17:00〜17:45 Section 3 屈折矯正

座 長 ビッセン宮島弘子
東京歯科大学水道橋病院眼科

Profile1981年慶應義塾大学医学部卒業、慶應義塾大学医学部眼科学教室入局。1984年ドイツボン大学眼科助手、1987年慶應義塾大学医学部眼科学教室助手。1989年国立埼玉病院眼科医長。1995年東京歯科大学市川総合病院眼科講師・慶應義塾大学医学部眼科学教室非常勤講師、2000年東京歯科大学水道橋病院眼科助教授、2003年東京歯科大学水道橋病院眼科教授、現在に至る。

 
Customized Refractive Surgery – Current and Future Technologies

Arthur Cummings
Wellington Eye Clinic

Cummings先生は屈折矯正手術及び白内障手術サージャンとして豊富な臨床経験を持ち、国内外における講演も多数、またCataract and Refractive Surgeryの最新テクノロジーの共同研究、開発にも携わるなど、その活動は多岐にわたります。ConsultantをつとめるWellington Eye Clinic(Ireland)では、その最新の手技を学ぼうと海外からも多くの屈折矯正サージャンが訪れています。本講演では、最新のリフラクティブレーザーのテクノロジーやその使用経験についてお話しいただくとともに、Cummings先生の専門分野でもあるCustomized Laser Treatmentについて、そのさまざまな選択肢や臨床成績を供覧いただきます。またさらに近未来のCustomized Laser Treatmentについてもお話しいただきます。

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17:45〜18:00 Break
 
18:00〜19:00 特別講演 「緑内障」

座 長 坪田 一男
慶應義塾大学医学部眼科学教室 教授

Profile1980年慶應義塾大学医学部卒業、慶應義塾大学医学部眼科学教室入局。国立栃木病院眼科医長、ハーバード大学留学、東京歯科大学眼科教授等を経て、2004年より現職。日本白内障屈折矯正手術学会常任理事、日本角膜学会理事、日本抗加齢医学会副理事長、日本再生医療学会理事、ドライアイ研究会世話人代表などの要職に就く

 
緑内障診療の進め方

白土 城照
四谷しらと眼科 院長

緑内障発見の上での視神経検査と視野検査が重要であることはいうまでもない。近年の画像解析装置の発達は早期緑内障診断力を向上させたが、一方、近視眼では偽陽性も多く画像解析結果のみの判断で視野異常がないにもかかわらず緑内障として治療されている例も少なくない。また、視神経・視野所見に注目するあまり、細隙灯顕微鏡検査、隅角検査による病型確定が疎かにされ原発閉塞隅角症(緑内障)、続発緑内障が見逃されている場合もある。本講演では緑内障診療の基本検査である細隙灯顕微鏡検査、眼圧測定、ならびに隅角検査の流れを紹介しながら、演者の日常外来での緑内障診断に際しての留意点を述べるとともに治療の進め方を解説する。

 
19:00〜 情報交換会
 
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