2014126日(日) 8:45〜12:40
 
8:15〜8:45 Breakfast
 
8:45〜9:45

Section 4 アンチエイジング

座 長 坪田 一男
慶應義塾大学医学部眼科学教室 教授

 
目はカメラであり時計だった!

坪田 一男
慶應義塾大学医学部眼科学教室 教授

Profile1980年慶應義塾大学医学部卒業、同大学眼科学教室入局。83年国立栃木病院眼科医長。85年ハーバード大学留学、87年同大学角膜クリニカルフェローシップ修了。帰国後、国立栃木病院眼科医長。90年東京歯科大学助教授、98年同大学教授(眼科学)。2004年慶應義塾大学医学部教授(眼科学教室)、現在に至る。
日本抗加齢医学会理事長、日本白内障屈折手術学会常任理事、日本コンタクトレンズ学会常任理事、日本眼科学会評議員、日本角膜学会理事、日本再生医療学会理事、ドライアイ研究会世話人代表、Tear Film and Ocular Surface President-Elect、国内外雑誌編集多数。2012年第116回日本眼科学会総会総会長、1st Conference on the Tear Film and Ocular Surface in Asia Chairperson。

眼はカメラである。眼科学はまさにこの立場から眼疾病学と眼光学の2つが融合されたものである。最近になり、新しい視点が登場した。眼は時計でもあったのだ ! サーカディアンリズムを司っているのが“ブルーライト”であることがわかってきたからである。新たに見つかった第3の光受容体であるipRGC(intrinsic photosensitive retinal ganglion cell)はブルーライトに吸収極大があり、赤や緑の光にはあまり反応しない。
長年、カメラとしての眼は眼科医がケアーしてきた。時計としての眼も眼科学の学問領域としてしっかりととらえていくべきであろう。サーカディアンリズムの障害や、睡眠問題も将来“眼科のお仕事”となることを願って本講演を行いたい。

 
体内時計と健康

岡村 均
京都大学大学院薬学研究科医薬創成情報学講座 教授

Profile1979年3月京都府立医科大学医学部卒業、同年5月国立岡山病院小児医療センタ−。81年4月京都府立医科大学医学部第二解剖学教室助手、87年同講師、90年同助教授。87年6月フランス国立医学研究所 (INSERM, Lyon)、フランス国立科学研究所 (CNRS, Gif-sur-Yvette/Paris) へ留学。95年神戸大学医学部教授(解剖学第二講座)。2000年神戸大学大学院医学系研究科教授(脳科学講座分子脳科学分野)、07年5月京都大学大学院薬学研究科教授(医薬創成情報科学講座システムバイオロジー分野)就任(2008年3月まで神戸大学大学院医学系研究科教授を兼任)。現在に至る。
2007年5月 神戸大学名誉教授。日本時間生物学会理事。

人類は、夜明けとともに起き、日中働いて、日が暮れれば眠るという周期的な活動を繰り返してきた。この数百万年も続く生活リズムは、近年崩れ初め、就寝時間の遅延と睡眠時間の短縮化が著しい。これには、交替制勤務、時差勤務、長時間労働の一般化にともなう社会環境の急速な変貌によるもので、この傾向は止めようも無く、個人の健康保全や社会安全への影響が懸念されている。本講演では、生体リズムシステムの最新の理解と、そのシステムの破綻が起こったときの疾病について解説し、どのような生活をすれば健康を保てるのかを、時間生物学の観点より提言したい。

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9:45〜10:45 Section 5 眼病理

座 長 後藤 浩
東京医科大学眼科学教室 主任教授
 

たまには真面目に眼病理
–前眼部編-

小幡 博人
自治医科大学眼科学教室 准教授

Profile1988年群馬大学医学部卒業、東京大学医学部眼科学教室入局。95年東京大学大学院医学研究科博士課程(病理学)修了。97年ニューヨーク大学医学部細胞生物学教室留学。2000年自治医科大学眼科学講座講師、07年同大学眼科学講座学内准教授。08年自治医科大学眼科学講座准教授。現在に至る。

この白い物は何?と患者さんに聞かれ、上手く患者さんに説明できずに困ったことはありませんか? 霰粒腫と思って手術をし、おからのような白い物がでてきたのに、そのまま霰粒腫摘出術とカルテに書いていないでしょうか?
細隙灯顕微鏡で多くの情報が手に入ります。しかし、もう少しミクロの世界に入るともっと多くの情報を入手することができます。そして、患者さんに多くの情報を提供することができます。講演では、病気の表現形に潜むミクロの世界を紹介し、眼病理をみて考える喜びを分かち合いたいと思います。

 

たまには真面目に眼病理
–後眼部編-

後藤 浩
東京医科大学眼科学教室 主任教授

Profile1984年東京医科大学卒業。88年米国ドヒニー眼研究所留学。93年東京医科大学眼科講師、2002年東京医科大学眼科助教授、06年東京医科大学眼科教授、07年東京医科大学眼科主任教授。現在に至る。日本眼腫瘍学会理事長、日本眼炎症学会理事長。

眼科の臨床では病理組織学的知見に触れるチャンスはごく限られています。とくに後眼部疾患については、やむを得ず眼球摘出に至った症例や、診断・治療目的に眼内組織の生検が行われた症例などに限られるため、目に触れる機会はごく僅かと言えます。近年は光干渉断層計(OCT)のように、あたかも組織標本を見ているかのような優れた画像診断検査も普及していますが、OCTですべてが理解できるわけでもなく、そもそもOCTでは撮像できない後眼部の病変もたくさん存在します。
講演では演者が経験してきた後眼部病変の病理標本を厳選し、その組織所見を供覧しながら、眼病理をみて考える喜びを分かち合いたいと思います

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10:45〜11:00 Break
 
11:00〜11:30 Section 6 眼からウロコ

座 長 後藤 浩
東京医科大学眼科学教室 主任教授
 

安全管理
–私の視点– 3

戸塚 伸吉
とつか眼科 理事長・昭和大学 兼任講師

Profile1963年横浜生まれ。昭和大学医学部卒業、横須賀北部共済病院眼科医長、町立浜岡総合病院眼科医長、昭和大学眼科助手などを経て、1998年とつか眼科開設。昭和大学兼任講師、愛知県眼科医会理事、日本眼科学会認定眼科専門医、日本医師会認定健康スポーツ医、日本医師会認定産業医。

今回の安全管理パート3では、以下の3つを中心にお話しします。1. 苦情相談事例検討−色々:白内障の手術後、パワーエラーというほどでもない少しの術後屈折誤差で訴えられそうになった事例、突然のカルテ開示請求で戦々恐々としたクリニックの事例、の検証。2.SNS(ソーシャルネットワークサービス)の使い方:Lineによる殺人事件が起きる時代です。今回は、Facebookで私生活があらわになりストーカー被害にあったスタッフ事例を検証し、SNSの正しい使い方を提案します。3.安全管理に使える小技:最近の私のお気に入りで、安全管理につながるお勧めしたい幾つかの方法をご紹介します。

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11:30〜12:30 特別講演「アレルギー」

座 長 村上 晶
順天堂大学医学部眼科 教授
 

皮膚は眼に見えるセンサー臓器

戸倉 新樹
浜松医科大学皮膚科 教授

Profile1982年浜松医科大学医学部卒業、84年 浜松医科大学付属病院皮膚科助手。89 年米国エール大学皮膚科客員研究員。91年静岡市立静岡病院皮膚科医長。92年浜松医科大学皮膚科学講師、2000年浜松医科大学皮膚科学助教授。02年産業医科大学皮膚科学教授。11年浜松医科大学皮膚科学教授。現在に至る。
日本研究皮膚科学会監事(2011年まで理事長)、日本皮膚科学会代議員、日本アレルギー学会代議員、日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会理事、日本皮膚悪性腫瘍学会理事、日本光医学光生物学会理事、太陽紫外線防御委員会理事、International League Dermatological Societies (ILDS) ICD-11 専門委員。

長い皮膚科医生活は、皮膚の見方を変革させた。電車やバスの中、ヒトの顔を見ると、すぐ皮膚病が眼に入る。事は他人に限らない。自分の皮膚病に気づいたことも三度。手術までした。シワやシミなど老化も眼に入る。アトピー性皮膚炎の診断のために手相まで診る。皮膚病の中には、眼科の病気と関連するものもある。ヘルペス、シェーグレン症候群、原田病、弾力線維性仮性黄色腫、等々。
皮膚は外界と接する臓器であり、触覚はもちろん、痛み、かゆみも感ずる。このセンサー機能はスキンシップとして大いに役立ち、また良からぬ虫や微生物の侵入を避ける。皮膚表面には角層バリアがあり、蛋白質、化学物質が入らないようになっている。しかしもし侵入してしまったら、炎症を起こしてまでも排除し、接触皮膚炎(かぶれ)となる。最近、食物アレルギーでさえ皮膚での感作で起こることが判明した。皮膚の地位も向上している。

 
12:30〜12:40 Closing Remarks

ビッセン宮島弘子
東京歯科大学水道橋病院眼科 教授

 
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