Global Ocular Inflammation Workshops 2019, Sapporo,Japan

眼炎症教育プログラム・2 Days チケット参加登録のご案内

GOIW2019では、2日目土曜日の午後から3日目日曜日の午前中にかけて、日本語でのプログラムを開催します。実地医家の先生方に対して、日々の診療ですぐにご活用いただけるプログラムです。

GOIW 2019 (国際眼炎症ワークショップ2019)

会 期:2019年6月28日(金)~30日(日)
会 場:北海道大学学術交流会館 〒060-0808 北海道札幌市北区北8条西5丁目
会 長:石田  晋(北海道大学大学院医学研究院眼科学教室教授)
単 位:日本眼科学会専門医制度生涯教育事業認定番号 30265(B-4)
    1日(3時間以上参加)3単位、3日間参加最大9単位
参加費:GOIW2019全プログラム(3日間)の参加登録はこちら

眼炎症教育プログラム(日本語開催2Days)の参加登録はこちらご宿泊のご案内(日本語)はこちら2 Days チケットでご参加の方へのご案内(日本語)はこちら
※2 Days チケットで登録された方のご案内です。GOIW2019全体のプログラムに参加登録をされた方への
ご案内内容は異なりますので、こちらをご参照ください。

眼炎症教育プログラム(日本語)

セミナー1「炎症病態・サイトカイン」
6月29日(土)13 : 30~15 : 00
座長 柳  靖雄 旭川医科大学眼科学講座
堀  純子 日本医科大学多摩永山病院眼科
演者 眼の免疫特権と眼内免疫チェックポイント
堀  純子 日本医科大学多摩永山病院眼科

1990年 新潟大学医学部卒業、東京大学医学部眼科研修医
1992年 東京大学医学部眼科助手
1997年 医学博士(東京大学)、ハーバード大学眼科
スケペンス眼研究所博士研究員
2000年 東京大学医学部眼科助手
2001年 国立感染症研究所免疫部協力研究員
2002年 日本医科大学眼科講師
2004年 日本医科大学眼科助教授(2007年准教授)
2018年 日本医科大学眼科教授、日本医科大学多摩永山病院 眼科部長
現在に至る。

眼には、過剰な炎症を自動制御し、臓器機能の恒常性を維持する免疫学的な特性があり、この性質は免疫特権(Immune privilege)と呼ばれる。免疫特権の維持は、(1)解剖学および細胞学的なバリア、(2)前房関連免疫偏位(ACAID)とその他の制御性T細胞、(3)眼内の免疫抑制性微小環境、の3つの要素で成立していると理解されている。このうち、(3)眼内の免疫抑制性微小環境については、他臓器には見られない多様な免疫調節因子が眼内に発現し、各々が異なる役割を果たしながら、眼内に侵入してきた多様な炎症細胞を抑制していることが明らかとなってきた。それらの因子の一部は、免疫チェックポイントと呼ばれる分子群であり、近年多領域で注目されている。
本講演では、眼内に恒性発現する免疫チェックポイント分子群の役割を中心に、眼内炎症を自動制御する免疫特権の分子機構を解説する。

  ぶどう膜炎の病態に関与する免疫・炎症反応
臼井 嘉彦 東京医科大学臨床医学系眼科学分野

2001年 東京医科大学医学部卒業
2003年 順天堂大学免疫学教室研究員
2007年 東京医科大学眼科学教室助教
2013年 米国スクリプス研究所研究員
2015年 東京医科大学眼科学教室講師
米国スクリプス研究所客員准教授
現在に至る。

ぶどう膜炎には多くの炎症細胞が関与し、その原因は自己免疫疾患や感染など様々である。炎症細胞により引き起こされる免疫反応は自然免疫と獲得免疫の2つに大別される。自然免疫では、マクロファージや樹状細胞などの抗原提示細胞や、好中球、単球などが自己抗原への暴露、微生物の侵入や組織障害により活性化して、TNFαや IL-6などのサイトカインや IL-8やMCP-1などのケモカインを産生する。自然免疫による初期免疫反応が引き起こされると、それに伴ってCD4陽性T細胞によるリンパ球優位の獲得免疫が誘導される。本講演ではぶどう膜炎の病態に関与する免疫・炎症反応を担う免疫細胞やサイトカイン・ケモカインなどの液性因子について概説し、最新の知見とともに新たな理解を目指したい。

  糖尿病網膜症のサイトカイン
吉田 茂生 久留米大学医学部眼科学講座

1993年 九州大学医学部卒業
1995年 九州大学大学院医学系研究科博士課程
1999年 ミシガン大学客員研究員
2007年 福岡大学筑紫病院眼科・講師
2010年 九州大学大学院医学研究院眼科学・講師
2015年 九州大学大学院医学研究院眼科学・准教授
2018年 久留米大学医学部眼科学講座・主任教授
現在に至る。

糖尿病性網膜症(DR)は、先進国における働き盛り世代の失明の主要な原因疾患である。DRに伴う失明の二大病態として増殖性変化と黄斑浮腫が挙げられる。DRにおいて炎症病態が本質的な役割を果たすことが知られている。このためDRでは種々の炎症性サイトカイン/ケモカインが、血清や眼内(硝子体・前房)において増加している。全身性より眼局所での炎症性サイトカインの産生が、増殖性変化と黄斑浮腫の両方の病態と関連すると考えられている。眼内では、網膜グリア細胞、網膜色素上皮細胞や浸潤白血球が炎症性サイトカインの主な産生細胞である。眼内サイトカインプロファイルの違いにより、治療の反応性が異なることが示唆されている。一方、炎症を評価することを目的とした網膜イメージングにより、DRの進行や治療反応性をある程度予測できる可能性が指摘されている。

  加齢黄斑変性のバイオマーカー
兼子 裕規 名古屋大学医学部附属病院眼科

2002年 名古屋大学医学部卒業
2008年 名古屋大学大学院医学系研究科修了
2008年 ケンタッキー大学眼科 Research Fellow
2012年 名古屋大学医学部附属病院眼科助教
2016年 名古屋大学医学部附属病院眼科病院講師
現在に至る。

加齢黄斑変性の発症を決定する因子として、人種やSNPといった遺伝因子や個人の嗜好の違い、環境因子など多くの因子が挙げられます。つまりは眼だけでなく、全身から得られる情報から発症しやすさをある程度予測することが可能な疾患と言えるでしょう。一方、「バイオマーカー」という単語は生体の状態を客観的に評価するための指標で、その指標を測定する生体サンプルとして血液や対象組織(臓器)の画像などが用いられます。特に眼科ならではのバイオマーカーとして、前房水・硝子体液からの情報が挙げられます。本講演では、加齢黄斑変性と関連が深いと考えられている炎症性サイトカインや酸化ストレスなどを紹介し、それらが加齢黄斑変性の発症にどのように関与しているか共に考え理解を深めたいと思います。

セミナー2「蛍光眼底造影・自発蛍光」
6月29日(土)15 : 10~16 : 40
座長 秋山 英雄 群馬大学大学院医学系研究科脳神経病態制御学講座眼科学
楠原仙太郎 神戸大学大学院医学研究科外科系講座眼科学分野
演者 ぶどう膜炎における蛍光眼底造影(FA/IA)
柳井 亮二 山口大学大学院医学系研究科眼科学

1997年 山口大学医学部卒業
2002年 山口大学医学部助手
2003年 山口大学大学院医学系研究科医学博士
2003年 下関市立豊田中央病院眼科医長
2007年 山口大学大学院医学系研究科眼科学助教
2009年 山口大学大学院医学系研究科眼科学学内併任講師
2009年 山口大学医学部眼病態学講座講師
2010年 山口大学大学院医学系研究科眼科学講師
2011年 ハーバード大学 眼科耳鼻科病院研究員
2013年 山口大学大学院医学系研究科眼科学講師
2015年 山口大学医学部附属病院講師
現在に至る。

ぶどう膜炎は眼内の血管の炎症を本態とする眼内の炎症性疾患である。眼循環動態や血管透過性を観察することでぶどう膜炎の病態を理解しやすくなる。特に後部ぶどう膜炎の網脈絡膜の解剖学的および機能的な評価に蛍光眼底造影は有用で、フルオレセインナトリウムを用いたFAにより網膜循環を評価することができる。FAでは血管からの蛍光漏出や組織への蛍光貯留、網膜色素上皮の萎縮による過蛍光、網膜異常血管の新生や網膜循環障害や閉塞がみられる。インドシアニングリーンを用いたIAでは脈絡膜循環を評価することができ、炎症により脈絡膜循環板の循環障害や炎症性肉芽が発生することで低蛍光となる。さらに、視神経乳頭、黄斑浮腫、網膜下液、網膜色素上皮、網脈絡膜萎縮、脈絡膜毛細血管、脈絡膜新生血管をFA、IAで観察することで、さまざまなぶどう膜炎の鑑別に役立つ。本講演では、代表的な後部ぶどう膜炎の蛍光眼底造影画像を提示しながら、検査所見の読み方と鑑別診断の考え方、活動性の評価について概説する。

  ぶどう膜炎における自発蛍光
楠原仙太郎 神戸大学大学院医学研究科外科系講座眼科学分野

1998年 神戸大学医学部卒業
2004年 理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター
(幹細胞研究グループ)リサーチ・アソーシエイト
2007年 兵庫県立尼崎病院 眼科医長
2008年 神戸大学大学院医学研究科 外科系講座眼科学分野 助教
2012年 神戸大学若手教員長期海外派遣制度によりロンドン大学に長期海外出張
2014年 同 帰国
2016年 神戸大学医学部附属病院 眼科 講師
2018年 神戸大学大学院医学研究科 外科系講座眼科学分野 講師
現在に至る。

眼底自発蛍光(fundus autofluorescence, FAF)は非侵襲的にぶどう膜炎における網脈絡膜の状態を評価できる有用なツールである。ぶどう膜炎では、活動性病変部位が過蛍光に、非活動性病変部位または脈絡網膜萎縮が低蛍光に、それぞれ描出されると報告されているが、実臨床では以上の原則を踏まえた上で病態を考えながらFAF画像を読影することが重要である。ぶどう膜炎では眼底の広範囲に病変が生じることが多く超広角FAFは特に有用である。超広角FAFでは硝子体混濁のシルエットや脈絡網膜萎縮を境界明瞭な低蛍光領域として描出することができる。また、一様な過蛍光として描出されることが多い活動期の脈絡膜炎については炎症の範囲を把握する際に役立つ。さらに、炎症寛解期のサブクリニカルな炎症を多発する斑状過蛍光病巣として検出することもできる。本講演では、ぶどう膜炎のFAFの既報をレビューした後に、自験例を基に超広角FAF画像所見につき詳しく紹介する予定である。

  糖尿病網膜症の眼底造影とOCTA
下内 昭人 旭川医科大学眼科学講座

2009年 旭川医科大学医学部卒業
2011年 苫小牧王子総合病院眼科
釧路赤十字病院眼科
2012年 旭川医科大学眼科
2016年 旭川医科大学医学博士
留萌市立病院眼科医長
2017年 旭川医科大学眼科診療助教
現在に至る。

糖尿病網膜症の病態を把握する為には、網膜微小循環の評価が必須であり、蛍光眼底造影検査(FA)は毛細血管瘤や網膜無灌流領域の同定、新生血管の描出などに有用である。しかしながら、副作用などの理由で躊躇されることも少なくない。一方、OCT angiography (OCTA)の登場により、糖尿病網膜症の診療が新たな局面を迎えている。OCTAの特徴として、非侵襲的であり繰り返し撮影できること、蛍光漏出の影響を受けないこと、層別に定量解析ができることなどが挙げられ、また、近年では広画角撮影が可能となってきている。
本講演では、FAと比較した上で、OCTA所見を見る上で気を付けるべきポイント、そしてOCTAによって新たに分かってきた糖尿病網膜症の病態について、最近の文献を元に紹介する。

  中心性漿液性脈絡網膜症と加齢黄斑変性の自発蛍光
森 隆三郎 日本大学医学部視覚科学系眼科学分野

1995年 日本大学医学部卒業
駿河台日本大学病院眼科入局
2001年 駿河台日本大学病院眼科助手
2004年 ベルギー王国 GENT(ゲント)大学眼科留学(1年)
2012年 日本大学医学部視覚科学系眼科学分野診療准教授
2017年 日本大学医学部視覚科学系眼科学分野准教授
現在に至る。

中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)と加齢黄斑変性(AMD)は、網膜色素上皮(RPE)の形態異常と機能障害を伴う疾患である。眼底自発蛍光は、主にRPEのリポフスチンからの蛍光を捉えており、過蛍光はリポフスチンの増加によるもので、低蛍光はリポフスチンの減少あるいは消失によるものでRPEの萎縮や欠損を示唆する。CSCの主となる所見は、漿液性網膜剥離(SRD)であるが、その要因は脈絡膜血管の透過性亢進に伴うRPEの機能障害であり、RPEの軽度の機能障害は過蛍光となるが、低蛍光となる範囲は長期にSRDが存在し、RPEの機能障害が進行したことを示唆する。また、SRDが遷延化すると視細胞外節が貪食されずに溜まり過蛍光となる。CSCは、自発蛍光の所見から病変部位や病期を把握することができる。滲出型AMDでは、RPE裂孔をきたすことがあり、RPE欠損部位は低蛍光になる。萎縮型AMDでは、地図状萎縮の範囲は低蛍光になり、その経時的な変化を低蛍光の拡大所見で把握することができる。講演では、CSCとAMDの症例を提示し、自発蛍光の有用性と読影について解説する。

セミナー3「光干渉断層計 他」
6月30日(日)9 : 30~11 : 00
座長 鈴間  潔 香川大学医学部眼科学講座
岩田 大樹 北海道大学大学院医学研究院眼科学教室
演者 ぶどう膜炎における光干渉断層計検査の有用性
丸山 和一 大阪大学大学院医学系研究科視覚先端医学寄附講座

1998年 金沢医科大学医学部卒業
2002年 京都府立医科大学大学院入学
2003-2006年 米国ハーバード大学スケペンス眼科研究所
2009年 京都府立与謝の海病院眼科 医長
2012年 京都府立医科大学視覚再生外科学/眼科学 助教
2012年 東北大学病院 講師
2017年 大阪大学大学院医学系研究科視覚先端医学寄附講座 寄附講座准教授
現在に至る。

光干渉断層計(OCT)は種々の網膜疾患の診断に使用され、その有用性が多数報告されている。ぶどう膜炎においても、疾患の診断や薬物治療の反応性について、OCTの有用性が報告されている。近年開発されたSwept Souse(S-S) OCTは、これまで観察できなかった脈絡膜構造が描出可能となり、種々の疾患において特徴的な所見を得ることが可能となり、実臨床でその有用性が報告されている。特にVogt-小柳-原田病(VKH)では、S-SOCTを用いた脈絡膜厚の観察は病勢を把握することが可能で、治療の方向性を決定するツールとして実臨床で使用されている。さらにS-SOCTを用いた網膜血管を描出するAngio-OCTもぶどう膜炎疾患にて、診断などに用いることを試みられている。硝子体混濁を伴わない網膜血管炎を発症する免疫疾患ではAngio OCTを用いた網膜血管の観察が可能であり特徴的な所見を得ることが可能である。
本講演ではOCTを用いたぶどう膜炎の診断とAngio OCTを用いた網膜血管炎の特徴について提示したい。

  ぶどう膜炎におけるレーザースペックルフローグラフィーの見かた
岩田 大樹 北海道大学大学院医学研究院眼科学教室

2002年 北海道大学医学部卒業
2010年 北海道大学大学院医学研究科博士取得
2011年 ロンドン大学眼科研究所 ポスドク研究員
2014年 北海道大学病院眼科助教
現在に至る。

レーザースペックルフローグラフィ(LSFG)は眼底血流速度を測定する機器で、ぶどう膜炎では網脈絡膜や視神経乳頭が検査対象となる。光干渉断層計(OCT)と同様に非侵襲的に短時間で定量性を持って測定できるため、同一患者での病態の変化に伴う血流の経時的な変化の観察に優れている。炎症性眼疾患においても他疾患との鑑別や病勢の評価に応用できることがわかってきた。例えばVogt-小柳-原田病の急性期では、OCTで黄斑部脈絡厚(CCT)は増加し、黄斑部での血流速度の指標mean blur rate(MBR)が低下する。ステロイド薬全身投与後、炎症の改善とともにCCTは減少、MBRは上昇する。このような炎症の急性期の変化は炎症性パターンとして他の炎症性眼疾患においても同様にみられる現象であり、非炎症性眼疾患でのパターンとは全く異なる。
本講演では様々な炎症性眼疾患についてLSFGを用いてわかってきたことを解説し、さらにその臨床経過を非侵襲的に評価する我々の最新の知見を紹介する。

  2型糖尿病が術中の眼血流変化に与える影響 (術中LSFG)
橋本りゅう也 米国アイオワ大学眼科/東邦大学医療センター佐倉病院眼科

2010年3月 東邦大学医学部卒業
2010年4月 東邦大学医療センター大橋病院前期研修
2012年4月 東邦大学医療センター佐倉病院眼科レジデント
2018年3月 東邦大学大学院医学研究科博士課程修了
2018年4月 東邦大学医療センター佐倉病院眼科助教
2018年11月 米国アイオワ大学眼科留学
Visiting Associate Professor
現在に至る。

自己調節能とは、眼圧や体血圧の変化によらず、血流を一定に保ち十分な酸素や栄養を組織に供給する機構である。視神経乳頭・網膜血流においても自己調節能の存在が知られており、緑内障や糖尿病網膜症の発症に眼血流・自己調節能障害が関与していることが報告されている。又、硝子体術中は眼圧変動が生じ、糖尿病などの動脈硬化疾患を有する場合、術後視野障害が出現・進行する事が知られていることなどからも、より低侵襲な手術を目指す上において、術中眼圧に対する眼血流変化に注意を払うことは重要であると考えている。我々は、これまでに術中に仰臥位で眼血流を非侵襲的に測定できるLaser speckle flowgraphy-NAVI-OPEを用いて、全身疾患を持たない黄斑前膜・円孔症例において、高眼圧(30mmHg)に対して眼血流・自己調節能が作用し視神経乳頭組織血流が5〜10分前後で回復傾向を示すことを明らかにした。本講演では、慢性的な血管炎症を引き起こす2型糖尿病(網膜症なし、又は軽症非増殖糖尿病網膜症)が、硝子体術中の眼圧変動に対する視神経乳頭血流・自己調節能に及ぼす影響について述べたい。

  加齢黄斑変性の光干渉断層計所見
永井 由巳 関西医科大学眼科学教室

1993年 関西医科大学卒業
1998年 関西医科大学大学院医学研究科卒業
1998年 関西医科大学眼科学教室 助手
1998年 Clinique Ophtalmologique Universitaire de Créteil
(Paris XII:国立パリ第12大学)留学
2001年 大阪歯科大学眼科 講師
2007年 大阪歯科大学眼科 准教授
2009年 関西医科大学眼科学教室 講師
2013年 関西医科大学眼科学教室 病院准教授
現在に至る。

1997年にOCTが本邦に導入されて20年あまり、飛躍的に解像度はよくなり解析ソフトの開発も相まって、硝子体から脈絡膜、強膜まで鮮明に描出できるようになりました。さらに近年では断層像のみではなく、画像の再構築によってあたかも蛍光眼底造影のような画像を得ることができるOCT angiography(OCTA)も登場しました。
本講演では、加齢黄斑変性におけるOCT、OCTAの所見を萎縮型、滲出型、前駆病変の病型別に提示し、それぞれの特徴を解説します。また、診断のポイントに加えて治療後の所見の変化や再燃時(再治療時)に多い所見なども合わせてお示しします。
また、OCTの画像解像度の進歩によって、これまでの加齢黄斑変性診断基準では考察されていない所見を最近のトピックを交えてお話したいと思います。

セミナー4「治療アップデート」
6月30日(日)11 : 20~12 : 50
座長 本田  茂 大阪市立大学大学院医学研究科視覚病態学(眼科)
大黒 伸行 JCHO大阪病院
演者 ぶどう膜炎に対する硝子体手術
竹内  大 防衛医科大学校眼科学講座

1989年 東京医科大学卒業
東京医科大学眼科学教室に入局
1993年 東京医科大学大学院博士課程修了
東京医科大学眼科学・助手
1994年 米国ハーバード大学スケペンス眼研究所
2000年 東京医科大学眼科学・講師
2006年 東京医科大学眼科学・助教授
2007年 東京医科大学眼科学・准教授
2010年 防衛医科大学校眼科学・教授
現在に至る

ぶどう膜炎に対する硝子体手術の適応は、1)感染性内眼炎、2)内因性ぶどう膜炎における内科的治療に抵抗性な器質的合併症、3)感染、非感染の鑑別、マスカレード症候群に対する診断的治療に大別される。細菌や真菌による感染性眼内炎、ヘルペスウイルスによる急性網膜壊死に対する硝子体手術では、病原体の十分な郭清とともに硝子体サンプルを用いた病原体の同定による感受性の高い抗生物質、抗真菌薬、または抗ウイルス療法が重要となる。内因性ぶどう膜炎に対する硝子体手術は、感染性ぶどう膜炎との鑑別、硝子体出血、網膜剥離など早急な手術が必要な症例以外の副腎皮質ステロイド加療に抵抗性な硝子体混濁、嚢胞様黄斑浮腫、黄斑上膜などでは、適応症例のぶどう膜炎の活動性を知り、手術・周術期計画を綿密に立て、十分な消炎の基に施行することが基本であるが、不可逆性な組織障害が生じる前に行うこと、そして術後炎症を十分にコントロールすることが術後成績を左右する。本セミナーでは動画を中心に上記について述べていきたい。

  ぶどう膜炎における全身治療アップデート
大黒 伸行 JCHO大阪病院

1988年 大阪大学医学部卒業
1996年 ハーバード大学眼免疫研究所 研究員
1998年 大阪大学医学部眼科学教室 助手
2002年 同 講師
2006年 同 准教授
2010年 大阪厚生年金病院(現JCHO大阪病院)眼科部長
現在に至る。

10年前には非感染性ぶどう膜炎(以下ぶどう膜炎)に対する治療と言えばステロイドしかなかったが、いくつかの選択肢がこの10年で新たに加わった。2007年にInfliximabがベーチェット病によるぶどう膜炎に使用可能となり、同じ抗TNFα抗体製剤であるadalimumabが2016年に非感染性ぶどう膜炎全般に対して保険適応となった。ぶどう膜炎においても他の膠原病領域同様、生物製剤の時代が訪れたといえる。また、生物製剤ではないが、シクロスポリンも非感染性ぶどう膜炎全般に2013年から保険適応が認められている。
最近、他科領域からステロイドの長期投与による副作用に関する注意喚起が多数なされており、我々眼科医としてもステロイド以外の免疫抑制剤・生物製剤の使用に習熟していく必要がある。そこで、本講演では、Vogt-Koyanagi-Harada病、ベーチェット病、強膜ぶどう膜炎、若年性特発性関節炎を中心に、これらステロイド剤以外の全身治療について自験例を中心に議論してみたい。

  糖尿病黄斑浮腫に対するレーザーと抗VEGF療法の使いこなし方
平野 隆雄 信州大学眼科学教室

2003年 信州大学医学部 卒業
2006年 信州大学医学部附属病院眼科 医員
2007年 長野赤十字病院眼科
2014年 信州大学医学部附属病院眼科 助教
2017年 Doheny Eye Institute (University of California-Los Angeles) 留学
2018年 信州大学医学部附属病院眼科 助教
現在に至る。

血管内皮増殖因子(VEGF)をターゲットにした抗VEGF療法は我が国における糖尿病黄斑浮腫(DME)治療の第一選択となりつつある。しかしながら、抗VEGF療法はその良好な治療効果の反面、頻回の硝子体注射が必要となることが多く、患者・医師双方への負担増加や感染・全身合併症のリスク増大などが問題としてあがる。近年、DME治療の選択順位としては低くなりつつある毛細血管瘤に対する直接光凝固や毛細血管床脱落部位に対する格子状光凝固といったレーザー治療であるが、中心窩を含まないDMEに対しては単独でも治療効果を得られることが知られている。また、中心窩を含むDMEに対してもレーザー治療を抗VEGF療法と併用することにより抗VEGF療法の回数を減らしつつ良好な治療成績が得られることを我々は報告している。本講演ではDMEに対するレーザーと抗VEGF療法について自験例を踏まえながら、具体的にお話させていただきます。

  加齢黄斑変性に対する抗VEGF療法
永井 紀博 慶應義塾大学医学部眼科学教室

1998年 慶應義塾大学医学部卒業
1998年 慶應義塾大学医学部眼科学教室入局
2007年 ジョンズホプキンス大学留学
2008年 ロンドン大学留学
2011年 慶應義塾大学医学部眼科助教
2016年 慶應義塾大学医学部眼科専任講師
現在に至る。

加齢黄斑変性(age-related macular degeneration: AMD)は先進国における失明の主因であり、わが国でも高齢化の進行とともに急増している網膜疾患である。進行期病変は大きく萎縮型、滲出型の2病型に分類され、滲出型AMDでは炎症性血管新生である脈絡膜新生血管を伴う。血管内皮細胞の分裂・増殖に中心的な役割を担うVEGFは1989年に報告された糖タンパクである。血管内皮細胞には、VEGF 受容体であるVEGFR-1 とVEGFR-2 が発現しており、血管内皮細胞の分裂を担うシグナルはVEGFR-2 を介する。一方、VEGFR-1 は単球・マクロファージ系の炎症細胞にも発現しており、VEGF は白血球走化因子として機能し、炎症細胞の遊走を促進する。滲出型AMDに対する抗VEGF療法は様々な大規模臨床試験で有用性が報告され、広く臨床に用いられている。本講演ではAMDに対する抗VEGF療を概説するとともに、ノンレスポンダーや脈絡膜に着目した予後因子について述べる。

2 Days チケット参加登録

6月29日午後~30日午前に開催する、眼炎症教育プログラム(日本語)への参加を希望される方、2 Days チケット専用の参加申し込みのご案内です。
2 Days チケット(もしくは、GOIW2019)の事前登録をされた方には、学会当日、Dr. 陳の札幌グルメバイブル最新版の冊子を無料でお配りします。

グルメバイブルバックナンバーはこちら

GOIW2019(6月28日(金)~30日、英語によるプログラム)への参加希望の方は、英語のサイトよりご登録ください。また、GOWI2019へ参加登録された方は、日本語ページからの参加登録の必要はありません。参加登録後の返金は致しかねますので、2重での参加登録にご注意ください。

<参加可能プログラム>
  6月29日(土)ランチョンセミナー、眼炎症教育プログラム
  6月30日(日)モーニングセミナー、眼炎症教育プログラム
※29日開催のGala Dinnerの参加費は含まれません。
参加希望の際には、当日登録で参加費(10,000円)をお支払いください。 
日本語プログラム参加登録締め切り
2019年
5月31日(金)
  6月5日(水)正午まで延長しました
参加登録を締め切りました。事前参加登録をされた方には、参加証が6月10日前後に届きますので、学会当日、お忘れのないようお持ちください。
当日登録をご希望の方は、こちらを参照ください。
※この締め切りは、2 Days チケット専用の登録締め切りとなります。
※GOWI2019の全プログラムに参加希望の方は、英語のサイトよりご登録ください。登録締め切り日が異なりますので、ご注意ください。
日本語プログラム参加費
  参加費
2 Days チケット(医師、企業、民間研究員) 20,000円
2 Days チケット(コ・メディカル) 10,000円
6月29日懇親会(GOIW2019 Gala Dinner)参加費 10,000円
※参加登録後のキャンセル、返金は一切受け付けません。
※2 Days チケットでは、ランチョン・モーニングセミナー以外、英語のプログラムにはご入場いただけません。GOIW2019全体のプログラムに参加希望の方は、英語のサイトよりご登録ください。
※2 Days チケットでは、GOIW2019で開催される、Welcome Reception(28日)、Gala Dinner(29日)にはご参加いただけません。ご参加希望の場合、Gala Dinner のみ追加の懇親会費でご参加が可能です。
※医学部学生の参加費は無料です。英語のサイトよりご登録ください。なお、学生証のコピーの提出が必要になります。
※コ・メディカルでのご登録の場合は、主任教授または所属長等の証明書が必要です。

【事前登録の場合】

参加手続き完了後、登録区分証明書 (事前用)【PDF】をダウンロードし、必要事項を記入してE-mailもしくはFAXにて参加登録デスクまでご送付ください。
所属長が同じ参加者が複数名いる場合は、登録区分証明書 (事前複数名用)【PDF】をご利用ください。

【当日登録の場合】

予め登録区分証明書 (当日用)【PDF】をダウンロードしていただき、ご記入の上、当日ご登録時にご提出ください。

《公益社団法人日本視能訓練士協会会員の方へ》

特定の職場に勤務していない場合など所属長の証明を取得できない方は、登録区分証明書に視能訓練士協会会員番号をご記入ください。また、当日登録の場合は、会員証もあわせてご提示ください。

テキスト

テキスト代は参加費に含まれます。学会当日、受付にてお受け取りください。

領収証付ネームカード(参加証)等の送付

期日までに事前参加登録費の入金確認が完了された方には、参加証を事前送付いたします(2019年6月上旬送付予定)。学会当日にお忘れなくご持参ください。

お申込み方法
1)  本ページ下部の「参加申込」ボタンよりご登録ください。
2) 「事前参加登録」画面より、参加登録区分、お名前、ご所属、ご連絡先、お支払い方法をご選択いただき、確認画面へお進みください。
3) 内容にお間違いないか確認の上、「次へ」ボタンをクリックしてください。
4) 確定後、ご入力いただいたメールアドレスに、申込内容の記載された通知メールが届きます。
お支払いについて

クレジットカード決済もしくは銀行振込をご選択いただけます。

【1】クレジットカード決済の場合
1)「クレジット決済」ボタンをクリックし、決済画面へお進みください。
2)クレジットカード番号、有効期限、セキュリティコードを入力し、「Submit」をクリックします。
セキュリティコードは、カード表面の4桁もしくは、カード裏面の3桁です。カードによって印字されている面・桁数が異なりますので、お持ちのクレジットカードをご確認ください。
3)決済完了後、決済通知メールが届きます。

【2】銀行振込の場合

確認メールに記載されている、口座宛に5月31日(金)までにお振込みをお願い致します。
※お振込みに関わる手数料はお申込者ご負担にてお願いいたします。


ご宿泊のご案内

ご宿泊のお申込みをご希望の方は、お手数ですが、こちらのページをご確認の上、一番下の「Conference Registration & Hotel Reservation」より別途お申込みください。 「Personal Data」をご入力いただき、マイページ作成後、「Hotel Accommodations」よりご予約をお願いいします。

※日本語プログラムのみご参加希望の方は、同英語サイトより「Registration」のご登録をされないよう、
ご注意ください。
個人情報保護について

本会の参加登録の際にお預かりいたしました内容は、本会運営準備に関する目的以外では使用いたしません。また、ご登録いただいた個人情報は、必要なセキュリティ対策を講じ、厳重に管理いたします。

参加事前登録・宿泊の申し込みに関するお問い合わせ

株式会社 KNT-CTグローバルトラベル 訪日団体事業部
「GOIW2019」登録デスク
担当:春花
〒101-0024 東京都千代田区神田和泉町1-13 住友商事神田和泉町ビル13F
TEL: 03-6891-9600  Fax: 03-6891-9599
営業時間 月~金 10:00~17:00 (土・日・祝日は休み)
※お取り消し、変更の連絡が休業日・営業時間外の場合は、翌営業日の扱いとなりますので、あらかじめご了承ください。 問い合わせ E-mail: goiw2019@or.knt.co.jp

参加申込

参加者へのご案内

本ページは、2 Days チケットで眼炎症教育プログラムにご参加いただく方向けのご案内です。
GOIW2019全体のプログラムにご参加される方は、こちらをご参照ください。

受 付
1. 受付時間

北海道大学学術交流会館 1F ロビー

日付 受付時間
6月29日 (土) 8:15~18:00
6月30日 (日) 8:15~13:00
2. 受付方法
1)事前登録をされた方
学会当日、受付をしていただく必要はございません。事前にお送りした参加証(ネームカード)を必ずお持ちください。なお、テキスト、ネームケース、Dr. 陳のグルメバイブルは当日配布いたしますので、“Abstract book and Name Badge Pick up”のデスクにお立ち寄りください。
2)当日登録される方
当日登録用紙」に必要事項をご記入の上、学会当日、北海道大学学術交流会館1Fの「日本語開催プログラム 2Daysチケット当日登録」受付までお越しください。
3. 参加費
  参加費
2 Days チケット(医師、企業、民間研究員) 20,000円
2 Days チケット(コ・メディカル) 10,000円
6月29日懇親会(GOIW2019 Gala Dinner)参加費 10,000円
※2 Days チケットでは、ランチョン・モーニングセミナー以外、英語のプログラムにはご入場いただけません。GOIW2019全体のプログラムに参加希望の方は、GOIW2019にご登録ください。
※2 Days チケットでは、GOIW2019で開催される、Welcome Reception(28日)、Gala Dinner(29日)にはご参加いただけません。ご参加希望の場合、Gala Dinner のみ追加の懇親会費でご参加が可能です。
<Gala Dinner>
日時:6月29日(土)  19:00~ ウェルカムドリンク
19:30~ Gala Dinner
会場:京王プラザホテル札幌 2F エミネンスホール
※医学部学生の参加費は無料です。GOIW2019の当日登録“On-site Registration”で受付をしてください。なお、学生証の提示が必要です。
※コ・メディカルでのご登録の場合は、主任教授または所属長等の証明書が必要です。
4. ネームカード(参加証)

全てのセッション、プログラムにご参加いただくためには、ネームカードのご着用が必要です。ネームカードに所属、氏名をご記入の上、入場の際には必ずご着用ください。

単 位

本学会は、日本眼科学会専門医制度生涯教育事業に認定されています(認定番号 30265(B-4))。眼炎症教育プログラムにご参加いただくことで、1日(3時間以上参加)3単位、2日で6単位取得が可能です。
バーコード対応での受付となりますので、眼科専門医制度更新登録証(ゴールドカード)、または専門医志向者証(シルバーカード)で単位受付され、控えをお受け取りください。
なお、単位受付の際にはネームカードをご提示いただきます。

北海道大学学術交流会館 1F

日付 受付時間 取得単位数
6月29日(土) 8:15~18:20 3単位
6月30日(日) 8:15~13:30 3単位
参加者サービス
1. Wifi サービス

学会会場ではWifi サービスをご利用いただけます。SSIDとパスワードは参加者によって異なり、受付時にネームカードと共にお渡しします。再発行はできませんので、紛失にご注意ください。
なお、ユーザIDやパスワードの第三者への譲渡および貸与は禁止されております。一つのゲストIDを複数人で利用していることが確認された場合は不正行為と見なして、ゲストIDを無効とする措置が取られる場合がありますので、十分にご注意ください。

※一人で2~3台の端末を所有している場合、それらの端末に対して一つのゲストIDを利用することは可能です。
2. クローク

北海道大学学術交流会館 1F

日付 利用時間
6月29日(土) 8:15~19:00
6月30日(日) 8:15~13:00
3. 企業展示・ドリンクサービス

北海道大学学術交流会館 1F

日付 利用時間
6月29日(土) 9:00~17:30
6月30日(日) 9:00~13:00

※コーヒー、紅茶等のサービスがあります。

4. ランチョン・モーニングセミナー

ランチョンセミナーではお弁当、モーニングセミナーでは軽食をご用意いたします。開始時間までに各会場にお越しください。お弁当はなくなり次第終了となりますので、予めご了ください。ランチョンセミナー、モーニングセミナーの整理券の発行はございません。

5. 撮影・録音

会場内における撮影・録音は、公式プレス、及びGOIW2019が許可した者を除き、いかなる場合も演者の著作権保護の目的で禁止しており、固くお断りいたします。ただし、ポスターセッションの演者が、ご自分のポスターの前で記念撮影をすることは可能です。違反者は、GOIW2019主催者により、記録媒体を没収され、学会場から退去いただきます。

6. お店・レストラン

北海道大学キャンパス内インフォメーションセンター「エルムの森」、クラーク会館食堂、または学会会場から徒歩3分ほどにあります、コンビニエンスストア(セイコーマート)をご利用ください。

7. ATM

学会会場から徒歩3分ほどにあります、コンビニエンスストア(セイコーマート)をご利用ください。

8. 駐車場

GOIW2019では駐車場のご用意はございません。公共交通機関をご利用ください。お車でお越しの場合には、会場最寄りの一般の駐車場をご利用ください。

9. 学会本部

北海道大学学術交流会館 1F 第4会議室

講演規定

眼炎症教育プログラムにおける講演規定は、GOIW2019に準じます。
詳細は、Instructions for Participants をご参照ください。