2011年3月11日の東北太平洋沖地震は日本に未曽有の災害をもたらしました。その災害の大きさに、多くの人々が驚き、悲しみ、世界各国からも支援の声が寄せられました。
現地の医療支援活動に赴いた慶應義塾大学医学部眼科の坪田一男教授は、その想像を絶する光景を目の当たりにして、帰京後、親しく交流のあったマイアミ大学Bascom Palmer Eye InstituteのEduardo C. Alfonso先生と電話で話しました。Eduardo C. Alfonso先生は、2005年にハリケーン・カトリーナでの災害を体験しています。そこで坪田教授が「被災地で活躍したVision Vanが日本にもあれば…」と話したところ、「Vision Vanを貸すよ!」との返答をいただいたのです。 |
4月12日にマイアミを出発するVision Van |
Vision Vanを乗せたヴォルガ・ドニエプル航空の機体が14日仙台に到着 |
Vision Vanは、2005年にアメリカのルイジアナ州を襲ったハリケーン・カトリーナの被害の際、マイアミ大学Bascom Palmer Eye Instituteが巡回診療用としてつくったものです。ハリケーンの被害の大きかったニューオリンズで多くの眼疾患を救いました。 「それは素晴らしい! ありがとう、エディ!」と歓喜したものの、Vision Vanを日本に搬入するのには、大きな問題が山積していました。規格外の大型バスの輸入に関する許可申請、ナンバープレートの取得、医療行為の許可、などなど。さらに、大型バスをどうやって輸入するのか、という問題もありました。 |
そこで、内閣府に相談したところ、それはぜひ緊急に実現させよう!と政府の協力を得、搬送には特大貨物輸送を得意とするロシアのヴォルガ・ドニエプル航空より無償フライトの提供を得、その他のさまざまな許可申請も特例の急ピッチですすめられて、Vision Van は4月12日にマイアミを出発、14日に無事、仙台空港に到着しました。
これを受けて、日本眼科学会、日本眼科医会、現地の東北大学中澤徹准教授、岩手医科大学黒坂大次郎教授による診療支援活動の準備がすすめられ、被災地での眼科診療が可能となりました。
この経験から、「日本にVision Vanを常備しよう!」=“Mission Vision Van”プロジェクトがスタートしました。
これを受けて、日本眼科学会、日本眼科医会、現地の東北大学中澤徹准教授、岩手医科大学黒坂大次郎教授による診療支援活動の準備がすすめられ、被災地での眼科診療が可能となりました。
この経験から、「日本にVision Vanを常備しよう!」=“Mission Vision Van”プロジェクトがスタートしました。