201027日(日) 8:45〜12:40
 
8:15〜8:45 Breakfast
 
8:45〜9:45 Section 4 アンチエイジング

座 長 坪田 一男
慶應義塾大学医学部眼科学教室教授

Profile1980年慶應義塾大学医学部卒業、医師免許取得、米国ECFMG合格、慶應義塾大学医学部眼科学教室入局 (主任:植村恭夫教授)。1983年国立栃木病院眼科医長。1985年厚生省臨床研修指導医留学生としてハーバード大学留学、米国マサチューセッツ州医師免許取得。1987年ハーバード大学角膜クリニカルフェローシップ修了、帰国後再び国立栃木病院眼科医長。1990年東京歯科大学助教授(眼科学)、慶應義塾大学講師(眼科学)ー2004年3月まで。1992年東京医科歯科大学非常勤講師(難治疾患研究所臨床免疫学)ー1996年9月まで。1993年旭川医科大学非常勤講師(眼科学)ー現在まで。1995年ハーバード大学訪問教授(Invited by Prof.Wayne Streilein)。1998年東京歯科大学教授(眼科学)、および市川総合病院眼科部長2004年3月まで、メルボルン大学訪問教授(Invited by Prof.Huh Taylor)。2004年慶應義塾大学教授(医学部眼科学教室)、東京歯科大学客員教授(眼科学)、2005年京都府立医科大学客員講師(眼科学)。

 
1. ドライアイへの
  アンチエイジング医学的アプローチ

坪田 一男
慶應義塾大学医学部眼科学教室教授

 現在加齢のメカニズムは解明されていないが、酸化ストレス仮説と、メタボエイジング仮説(CR仮説)の2大仮説は広く認められつつあり、この仮説をもとに加齢への介入が真剣に考えられている。最近では疾患の予防に加えて一部の疾病の治療も抗加齢アプローチで可能ではないかと考えられるようになってきた。
 ドライアイの治療法は、防腐剤抜きの人工涙液やヒアルロン酸点眼、涙点プラグ、炎症のコントロールが主体であるが、あくまで対処療法であり涙液の分泌を増やすような根治療法は開発されていない。ドライアイのメカニズム研究に抗加齢医学的視点を応用することにより根本的な治療法の開発が可能になりつつある。

 
2. アンチエイジングの男性学

堀江 重郎 
帝京大学医学部泌尿器科主任教授

 驚くべきことに釈迦は120歳を上寿、百歳を中寿、80歳を下寿と唱え、それ以下は夭死にと説いている。もっとも男性の死亡率は70歳を過ぎるまでは女性の倍であり、平均寿命には厳然とした性差が存在する。男性は健康長寿をどう達成するか、臓器の機能医学をより包括的に考えていく中で、今ホルモン力と血管力が注目されている。男性のアンチエイジングについて、学会とはちょっと違う観点から議論したい。

Profile1960年生まれ。1985年東京大学医学部卒業、東京大学病院救急部で研修。1986年〜1995年泌尿器科学を専攻、東京大学病院、武蔵野赤十字病院、都立墨東病院に勤務。1988〜1991年米国テキサス大学に勤務、テキサス州で医師免許取得。1995年国立がんセンター中央病院スタッフ、1998年東京大学医学部講師、2002年杏林大学医学部助教授。2003年より帝京大学医学部主任教授。現在に至る。日本泌尿器科学会評議員、日本腎臓学会理事、日本癌治療学会評議員、日本癌学会評議員、日本EE学会評議員、日本性機能学会理事、日本抗加齢医学会理事、日本Men's Health医学会理事。
 

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9:45〜10:15 Section 5
眼科医のための目からウロコシリーズ

座 長 後藤 浩
東京医科大学眼科学教室主任教授
 

1. 安全管理 ー私の視点ー

戸塚 伸吉
とつか眼科理事長・昭和大学兼任講師

 1. 2007年、診療所での保険証授受のトラブル防止にボイスレコーダーを利用することを発表した。しかし、盗難事件から防犯カメラを導入せざるを得なかった。当然だが、これはボイスレコーダーの機能を上回る安全対策となった。2. 診療所の警備会社との契約を打ち切ってしまったので、電話機の赤外線機能を防犯システムに利用してみた。3. 携帯電話は、緊急地震速報を入手できる点でも常に携帯する必要があるが、ど忘れ対策にはスマートフォンが便利だと思っている。4. ヨード剤での術前洗眼は、角膜障害を起こすのでこれを防ぐ保護具を開発中である。などなど、診療に関する安全管理で私が実践していることを述べてみたい。

Profile1963年横浜生まれ。昭和大学医学部卒業、横須賀北部共済病院眼科医長、町立浜岡総合病院眼科医長、昭和大学眼科助手などを経て、1998年とつか眼科開設。昭和大学眼科兼任講師、日本眼科学会認定眼科専門医、日本医師会認定健康スポーツ医、日本医師会認定産業医である。


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10:15〜11:15 Section 6 白内障治療

座 長 常岡  寛
東京慈恵会医科大学眼科学教室主任教授

Profile1976年東京慈恵会医科大学卒業。1981年医学博士の学位受領後、1985年国立相模原病院眼科医長、1990年東京慈恵会医科大学眼科学講座講師、1996年東京慈恵会医科大学眼科学講座助教授、 2000年東京慈恵会医科大学附属第三病院眼科診療部長を経て2007年東京慈恵会医科大学眼科学講座主任教授就任。

 

1. 最新の白内障手術デバイスの使い分け

柴 琢也
東京慈恵会医科大学眼科学講座講師

 粘弾性物質は数年前よりOVD(Ophthalmic Viscosurgical Device)と呼ばれ、様々な特性を持った製品が開発され、その目的により積極的に使い分けられている。さらに、白内障手術装置も各社開発にしのぎを削り、安全かつ効果的に水晶体処理を行うことが可能になってきている。様々なデバイスが進歩したことにより、安全性および有効性が高くなっているが、デバイスを目的に応じて正しく選択、使用しなければその効果が得られないばかりか、かえって手術を危険なものにしてしまう可能性がある。今回は、現在の白内障手術において重要なデバイスの使い分けについて考察する。

Profile医学博士。1994年東京慈恵会医科大学卒業、独立行政法人国立病院機構東京医療センター。1996年東京慈恵会医科大学眼科学講座助手。2002年〜2003年フランス国立パリ第六大学附属眼科病院Quinze-Vingts 研究員。2007年10月東京慈恵会医科大学病院眼科講師。日本眼内レンズ屈折手術学会理事、日本眼内レンズ屈折手術学会誌編集委員、独立行政法人国立病院機構東京医療センター感覚器センター研究員。

 

2. 小児IOLの選択と術式

永本 敏之
杏林アイセンター

 小児用IOLとして長期安定性に優れたPMMAが推奨された時期もあったが、手術侵襲低減と術後屈折度早期安定、眼球強度保持、正常結膜温存の点から現在では小切開からインジェクターでアクリルレンズを入れるのが主流である。小児の白内障手術は、形態覚遮断弱視治療あるいは予防としての側面が強く、瞳孔領の透明性確保、適切な術後矯正、健眼遮蔽が必要である。小児では後発白内障の発生率が非常に高く、これが治療妨げとなるため、術式は後発白内障の予防と治療を鑑みて選択される。すなわち術後にYAGレーザーが可能な8歳以降ではシャープエッジアクリルレンズを嚢内固定するだけだが、8歳未満では後嚢CCCと前部硝子体切除が必要である。

Profile1983年慶應義塾大学医学部卒業、慶應義塾大学医学部眼科学教室入局。1986年国立霞ヶ浦病院眼科医長。1993年岡崎国立共同研究機構・基礎生物学研究所・特別協力研究員。1996年ワシントン大学医学部眼科研究助手。1998年杏林大学医学部眼科講師、2002年杏林大学医学部眼科助教授(現 准教授)、2008年杏林大学医学部眼科教授、現在に至る。
 

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11:15〜11:30 Refreshment Break
 
 
11:30〜12:30 特別講演2「感染症治療」

座 長 坪田 一男
慶應義塾大学医学部眼科学教室教授
 

角膜感染症の謎を解く

大橋 裕一
愛媛大学医学部眼科教授

 感染症は医学のルーツである。細菌の先祖が現れたのが約38億年前、人類の起源である約600万年前との隔たりはとてつもなく大きい。「人類の歴史は感染症との闘いであった。」との表現も、既存の環境で新参者が生存していく過程として当然の話と言える。眼感染症の領域でも、肺炎球菌や角膜ヘルペスとの苦闘が大きな足跡として残されているが、21世紀に入り、MRSAやMRCNSに代表される薬剤耐性菌の台頭、アカントアメーバを頂点とするコンタクトレンズ関連角膜感染症の増加、サイトメガロウイルス感染の意外なまでの拡がりなどが問題となっている。この講演を通じて、多様化する眼感染症に対する臨機応変な謎解き能力を学んでいただければ幸いである。

Profile1975年大阪大学医学部卒業。1978年大阪大学微生物病研究所 助手、1980年大阪大学医学部眼科 助手。1982年 Proctor Foundation, University of California,San Francisco に留学。1985年関西労災病院眼科部長。1989年大阪大学医学部眼科講師。1992年愛媛大学医学部眼科 教授、2003年 愛媛大学医学部附属病院病院長、2006年愛媛大学理事・副学長。現在に至る。
 

 
12:30〜12:40 Closing Remarks
 
 
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