201026日(土) 14:50〜18:45
 
14:50〜15:00 Opening Remarks
 
15:00〜16:00 Section 1 屈折・多焦点レンズIOL

座 長 ビッセン宮島弘子
東京歯科大学水道橋病院眼科教授

Profile1981年慶應義塾大学医学部卒業、慶應義塾大学医学部眼科学教室入局。1984年ドイツ ボン大学眼科助手、1987年慶應義塾大学医学部眼科学教室助手。1989年国立埼玉病院眼科医長。1995年東京歯科大学市川総合病院眼科講師・應義塾大学医学部眼科学教室非常勤講師、2000年東京歯科大学水道橋病院眼科助教授、2003年東京歯科大学水道橋病院眼科教授。現在に至る。

 
1. 患者様から直接聴く
  多焦点眼内レンズの本質

ビッセン宮島弘子
東京歯科大学水道橋病院眼科教授

 多焦点眼内レンズが先進医療として認められ200施設以上で挿入が開始されている。学会や論文で良好な遠方および近方の裸眼視力が報告されているが、術前の説明に時間を要すること、高額な手術であること、術後に多焦点眼内レンズ特有の見え方に不満を持つ例があることで導入を躊躇している施設が多い。
 視力、コントラスト感度、焦点深度といった視機能の臨床評価に加え、今回、実際に多焦点眼内レンズを挿入された患者様の生の声をききながら、その本質について皆様と考えてみたい。

 
2. Toric IOLにおける手技と効果

清水 公也 
北里大学医学部眼科学教室教授

 小切開手術の導入により、惹起乱視は軽減されたものの、元来の角膜乱視に対しては新たな乱視矯正が必要となってきた。
 現在ある乱視矯正方法には、PAK(Photoastigmatic Keratectomy)、LRI(Limbal Relaxing Incision)、Toric IOL(Intraocular Lens)がある。PAKでは球面収差の増加、LRIではコマ収差の増加があり、矯正精度もPAKでは約60%、LRIでは30〜80%と手技のバラツキが大きい。
 一方、Toric IOLでは、手術手技が正しく行なわれた場合、矯正精度は高く、また高次収差の変化もない。今回はToric IOLの手術手技と臨床結果を自験例に基づき述べる。

Profile1976年北里大学医学部卒業、北里大学医学部眼科学教室入局。1978年東京大学医学部眼科学教室。1983年武蔵野赤十字病院眼科部長。1984年東京大学医学博士。1998年北里大学医学部眼科学教室主任教授。
 

▲上へ戻る
 
16:00〜17:00 Section 2 眼形成

座 長 後藤  浩
東京医科大学眼科学教室主任教授

Profile1984年東京医科大学卒業、眼科学教室入局。1987年東京医科大学眼科学教室 助手。1988年国立感染症研究所研究員、南カルフォルニア大学眼科ドヒニー眼研究所研究員。1993年東京医科大学眼科学教室講師、2002年東京医科大学眼科学教室助教授、2006年東京医科大学眼科学教室 教授、2007年東京医科大学眼科学教室主任教授。

 
1. 眼瞼と結膜にみられる色素性病変の
  診かたと治療のポイント

後藤 浩
東京医科大学眼科学教室主任教授

 眼瞼や結膜にはしばしば色素を伴った病変がみられます。色調の原因は血管の増生や出血によることもありますが、多くはメラニン色素の増生が関与しており、放置しても差し支えない母斑やメラノーシスが主体となります。母斑は若い頃から存在し、本人も気にはなるものの長い期間にわたって治療の機会に恵まれず、ひとり悩んでいるケースも散見されます。また、きわめてまれながらメラニン細胞に由来する悪性腫瘍や、メラニン細胞とは無関係ながら黒褐色調を呈してくる悪性腫瘍も存在します。
 講演では眼瞼と結膜に生じる色素を伴った病変の診断のポイントと、主に外科的治療の実際について具体的を供覧します。

 
2. 眼瞼下垂手術

嘉鳥 信忠
聖隷浜松病院眼形成眼窩外科部長

 昨今、学会や著書によって眼瞼下垂手術がいろいろ取沙汰されているが、本当のところはどうなのか?今一歩見えてきていないのが現実である。
 つまり眼瞼下垂はどういうメカニズムで、何が原因であるのかを、いろいろ解剖学的、生理学的に解析されてきているようであるが、むしろそればかりが一人歩きしている感は否めない。そして実際のところ術式に対しての解析はまだまだ発展途上であるといえよう。
 そこで、今回は眼瞼下垂の本態を理解し、それをそのまま治療に結びつける、すなわち眼瞼下垂症状に応じた、また年齢に応じた術式選択をすべきではないかという趣旨の話をわれわれの行っている術式を供覧しながら手術加療を中心に講演させていただく。

Profile1991年島根医科大学(現島根大学医学部)卒業、昭和大学形成外科学教室入局。1998年荒尾市民病院(荒尾)部長2年間。2000年榛原総合病院形成外科部長3年間。2003年聖隷浜松病院眼形成眼窩外科に就職。2005年同部長。現在に至る。日本形成外科学会専門医、日本形成外科学会評議員、日本眼腫瘍研究会世話人、日本眼科手術学会プログラム委員会補助委員、静岡手の外科・マイクロサージャリー研究会世話人。
 

▲上へ戻る
 
17:00〜17:15 Refreshment Break
 
 
17:15〜17:45 Section 3 角結膜

座 長 村上  晶
順天堂大学医学部眼科教授

Profile1981年順天堂大学医学部卒業。1981年順天堂大学医学部附属順天堂医院眼科臨床研修医、1982年順天堂大学医学部眼科学講座助手。1984年日赤医療センター眼科医員、1986年国立精神神経センター神経研究所流動研究員。1988年米国National Eye Institute留学(研究員)、1989年マイアミ大学医学部眼科留学(客員研究員)。1992年防衛医科大学校眼科講師、2000年順天堂大学医学部眼科講師を経て、2003年1月順天堂大学医学部眼科教授就任。

 
マイボーム腺研究の最前線

天野 史郎
東京大学医学部眼科学教室准教授

 マイボーム腺から分泌される脂は、涙液の安定化に大きく寄与している。臨床でよく目にする疾患としてマイボーム腺機能不全(Meibomian gland dysfunction =MGD)がある。MGDではマイボーム腺の機能が瀰漫性に低下し眼瞼や眼表面に障害が発生する。MGDの診断上、マイボーム腺の形態変化を観察するマイボグラフィーは重要である。我々は、短時間で生体の上下眼瞼のマイボーム腺形態を観察できるマイボグラフィーを開発した。このマイボグラフィーを一つのツールとして、国内のエキスパートの先生方と共に、MGDの診断基準を作成中である。本講演ではこれらMGD研究の最前線についてお話しする。

Profile1986年東京大学医学部卒業、東京大学眼科入局。1989年武蔵野赤十字病院眼科。1995年 ハーバード大学研究員。1998年東京大学医学部講師、2002年東京大学医学部助教授。
 

▲上へ戻る
 
17:45〜18:45 特別講演1 「緑内障治療」

座 長 村上  晶
順天堂大学医学部眼科教授
 
学会では聞けない緑内障の話

山本 哲也
岐阜大学大学院医学系研究科眼科学教授

 「学会では聞けない***」と変わったタイトルをいただいた。学会では聞けないを科学的な検証がされていないと解釈して、オムニバス的に緑内障の話をさせていただく。前半は、視神経の見方に触れたい。視神経乳頭を科学的に判断して緑内障の有無を決定しようとすると診断を誤ることがある。それが、専門医Aが判断するとなぜより正しく読めるのか述べ、そういう見方がSSOHなどの緑内障以外の乳頭異常の検出にもつながることを述べる。さらに、緑内障は乳頭の病気ではなく、黄斑の病気であるという発想がとても大事なことを話す。後半の治療においては、手術がアートであり、自分の芸術を作り上げることが重要であることを述べ、また、薬物療法を含めた緑内障管理そのものすらアートであると話したい。

Profile1979年東京大学医学部卒業、東京大学眼科学教室入局。1985年山梨医科大学眼科講師。1988年〜1990年文部省在外研究員(米国Michigan大学)。1991年岐阜大学眼科講師、1996年岐阜大学眼科助教授、2000年岐阜大学眼科教授。
 

 
18:45〜21:00 情報交換会
 
 
▲上へ戻る