2016227日(土) 14:50〜18:45
 
14:50〜15:00 Opening Remarks

坪田 一男
慶應義塾大学医学部眼科学教室 教授

 
15:00〜15:30 Section 1 角結膜

座 長 村上 晶
順天堂大学医学部眼科 教授
 
角膜ジストロフィーに対する治療法開発への挑戦

臼井 智彦
東京大学医学部眼科学教室 専任講師

Profile1995年東京医科大学卒業、東京大学医学部付属病院研修医、97年東京大学医学系研究科外科学専攻(眼科)。2000年米国ハーバード大学研究員。02年東京大学医学部付属病院眼科助手、08年東京大学医学部付属病院眼科病院講師、11年東京大学医学部付属病院眼科専任講師。現在に至る。

角膜ジストロフィーは遺伝性に角膜混濁が徐々に進行する疾患である。ミースマン角膜ジストロフィー、顆粒状・格子状角膜ジストロフィー、斑状角膜ジストロフィー、フックス角膜ジストロフィー、膠様滴状角膜ジストロフィーなど様々な種類があり、原因遺伝子が解明されていないものもある。遺伝形式も様々である。これらの疾患は基本的に薬物治療が存在せず、進行例では外科治療を行わざるを得ない。本講演では本邦で比較的頻度の高い顆粒状・格子状角膜ジストロフィーを代表としたTGFBI関連角膜ジストロフィーの臨床像と、現在我々が検討している遺伝子治療の開発について紹介する。 

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15:30〜16:00 Section 2 ドライアイ

座 長 村上 晶
順天堂大学医学部眼科 教授
 
ドライアイ診療アップデート2016

堀 裕一
東邦大学医療センター大森病院眼科 教授

Profile1995年大阪大学医学部卒業、大阪大学医学部眼科学教室入局。2001年米国ハーバード大スケペンス眼研究所研究員。06年大阪大学医学部眼科助手(助教)、09年東邦大学医療センター佐倉病院眼科講師、11年東邦大学医療センター佐倉病院眼科准教授、14年東邦大学医療センター大森病院眼科教授。現在に至る。

ドライアイ患者は日常診察において数多く存在し、最近では点眼や涙点プラグなど治療法の選択肢も増えてきたにもかかわらず、あらゆる治療を試みてもなかなか満足を得られない症例も少なからず遭遇します。ドライアイ患者の満足度を上げるためには、正しく「診断」し、正しい「治療方針」を立て、正しく「患者に説明」することが重要です。正確な診断および治療方針の決定には、フルオレセイン染色が重要ですし、患者に満足を与える説明には、「患者が知りたがっている情報を的確に伝える」ことが重要となってきます。本講演では、ドライアイ診療における患者満足度を上げるためにはどのような診察を心がけるべきかを皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

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16:00〜16:30 Section 3 白内障

座 長 ビッセン宮島弘子
東京歯科大学水道橋病院眼科 教授
 
白内障 / IOL手術後の非細菌性眼内炎症:
近年の話題

三宅 謙作
眼科三宅病院 理事長

Profile1966年名古屋大学医学部卒業、67年名古屋大学医学部眼科学教室入局、71年名古屋大学医学部大学院修了医学博士。72年三宅眼科副院長、1975年〜2012年医療法人湘山会眼科三宅病院院長、1990年〜現在、同理事長。現在に至る。

白内障 / IOL手術後の非細菌性炎症には、この10年間米国を中心に報告のあるToxic Anterior Segment Syndrome(TASS)及び類似疾患と術後の通常にみられる演者が生理的術後炎症と呼ぶ症候が含まれる。TASSは通常術後12〜48時間に発症する角膜浮腫、血液房水柵破壊、前房蓄膿を症状とする症候群で手術器具、薬物等のメンテナンス等の不適切によるtoxin混入が成因とされる。最近、術直後でなく晩発型のTASSが2種類報告された。1つはHOYA社製アクリルIOL(iSert)挿入症例で、原因は洗浄操作で混入したアルミニウムが示唆されている。もう1つはアルコン社製多焦点IOL「レストア」で発生したもので、原因は検索中である。本報告では、これらのupdateの情報と最も新しいNSAIDs点眼ネバナックによる術後生理学的炎症抑制効果についてもふれる。

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16:30〜17:30 Special Lecture 1

座 長 坪田 一男
慶應義塾大学医学部眼科学教室 教授
 
小児網膜硝子体疾患の診断と治療

日下 俊次
近畿大学医学部堺病院眼科 教授

Profile1986年大阪大学医学部卒業、同附属病院研修医。87年国立大阪病院眼科、91年多根記念眼科病院、92年愛媛大学医学部眼科助手、94年ミシガン大学眼科研究員、97年大阪大学医学部眼科助手および講師。2002年大阪府立急性期・総合医療センター眼科部長、04年大阪大学大学院医学系研究科准教授、05年大阪大学医学部附属病院 病院教授。10年近畿大学医学部堺病院眼科教授。現在に至る。

小児の網膜硝子体疾患は比較的頻度は低いものの、見逃すと重症化し、こじれてしまうものが多い。また、未熟児網膜症、家族性滲出性硝子体網膜症、第一次硝子体過形成遺残、コーツ病などの特有の疾患が多いという特徴がある。小児例では診察、治療に苦労することも多いが、日本の将来を担う小児の眼を守るのは我々眼科医の使命である。今回の講演では演者がいろいろ工夫しながら取り組んでいる小児網膜硝子体疾患、主に未熟児網膜症の治療のコツや最近の進歩についてビデオ、写真を多用し、わかりやすく解説したい。

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17:30〜17:45 Break Time
 
17:45〜18:45 Special Lecture 2

座 長 坪田 一男
慶應義塾大学医学部眼科学教室 教授
 
ヒトでも始まった糞便微生物移植の実際

金井 隆典
慶應義塾大学医学部消化器内科 教授

Profile1988年3月、慶應義塾大学卒業。2013年8月、慶應義塾大学 医学部 教授に就任、腸管免疫難病の研究と臨床開発に従事。2013年10月には慶應義塾大学病院免疫統括医療センター長を経て、現在に至る。

近年、炎症性腸疾患、糖尿病、肥満、リウマチ、精神神経疾患、動脈硬化、がんなどが増えている。これらの疾病構造の変化は、先進国での生活様式、抗生物質の過剰使用、過衛生、食事の欧米化(高脂肪低繊維食)、発酵食品の衰退、ストレス、運動不足などが関係しているのかもしれない。結果、現代人は大切なパートナーである腸内細菌を敵に回してしまったのかもしれない。事実、これらの疾患では、細菌の構成パターンが乱れていることが次世代シークエンサーを用いた解析でわかっている。私見だが、白内障でも腸内細菌が乱れているのかもしれない。近年、腸内細菌はホットな領域として大ブームである。健康なヒトの糞便を移植して疾患を治療しようとする治療も始まった。しかし、ヒト以外の生き物はずっと昔から便を食する有益性を知っていたのはもっと驚きである。

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18:45〜 情報交換会
 
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