201224日(土) 14:50〜18:45
 
14:50〜15:00 Opening Remarks

坪田 一男
慶應義塾大学医学部眼科学教室

 
15:00〜15:30 Section 1 屈折矯正

座 長 ビッセン宮島弘子
東京歯科大学水道橋病院眼科

Profile1981年慶應義塾大学医学部卒業、慶應義塾大学医学部眼科学教室入局。1984年ドイツボン大学眼科助手、1987年慶應義塾大学医学部眼科学教室助手。1989年国立埼玉病院眼科医長。1995年東京歯科大学市川総合病院眼科講師・慶應義塾大学医学部眼科学教室非常勤講師、2000年東京歯科大学水道橋病院眼科助教授、2003年東京歯科大学水道橋病院眼科教授、現在に至る。

 
収差と乱視

江口秀一郎
江口眼科病院

 現在、日本に臨床導入された付加価値眼内レンズには、多焦点眼内レンズ、非球面眼内レンズ及びトーリック眼内レンズがある。これらの眼内レンズは裸眼視力の向上、より良好な視機能の獲得、老眼鏡からの解放を謳っている。特に、非球面眼内レンズ、トーリック眼内レンズは健康保険適応の製品であるため、広く一般臨床に普及している。強い球面収差や強い乱視を有する患者は、網膜の結像特性が低下し、コントラスト感度の低下と裸眼視力の低下に陥り、良好な視機能回復が得られないため、これら新たな付加価値眼内レンズの恩恵が大きい。これらの製品群が白内障手術に普及するに連れ、球面収差や乱視の存在する事が、患者の視機能にとって有害であり、球面収差や乱視を打ち消す事がより質の高い白内障手術であるという風潮が生じて来ているように感じられる。しかし、そもそも視機能にとって、正及び負の球面収差や各種乱視が、単に焦点面の裸眼視力にとってのみならず、患者の有する多彩な視機能にどの様な影響を及ぼすのか、又、瞳孔径等の付随する眼機能によりどの様に変化するのか、という点に関しての理解は充分とは言えないのではないだろうか?これらの点に関し考察を更に深めることが、これらの新しい眼内レンズのより適切な適応選択と術後不定愁訴軽減に必要なのではないかと考える。
 非球面眼内レンズは、術後矯正視力、明所コントラスト感度に球面眼内レンズと有意差は無く、薄暮下あるいは暗所コントラスト感度は球面眼内レンズ眼に比べ有意に改善するという報告が多いが、偏心によりコマ収差が増大し易い欠点もある。トーリック眼内レンズは角膜乱視矯正に関して有用な手術材料であり、乱視矯正効果を高めるために術中眼内レンズ固定位置の精度向上に大きな関心が集まっているが、そもそも術前角膜乱視軸の決定に関する不確定要素に関しては大きな関心が払われていない。
 本講演に関しては収差と乱視が視機能に及ぼす影響を出来るだけ解りやすく解説すると共に、非球面眼内レンズやトーリック眼内レンズの術後成績も様々な観点から検討してみたい。

▲上へ戻る
 
15:30〜16:30 Section 2 眼炎症

座 長 後藤 浩
東京医科大学眼科学教室

Profile1984年東京医科大学卒業眼科学教室入局、1987年東京医科大学眼科学教室 助手、1988年国立感染症研究所研究員、1988年南カルフォルニア大学眼科ドヒニー眼研究所研究員、1993年東京医科大学眼科学教室講師、2002年東京医科大学眼科学教室助教授、2006年東京医科大学眼科学教室教授、2007年東京医科大学眼科学教室主任教授、2009年東京医科大学病院副院長、現在に至る。

 
1. 強膜炎の薬物療法

後藤 浩
東京医科大学眼科学教室

 強膜炎はNSAIDsの点眼薬が奏功する軽症例から、免疫抑制薬の全身投与を行ってもコントロールがままならない難治例まで、重症度の差が激しい疾患ですが、治療の中核をなすのはやはり副腎皮質ステロイド薬です。そのステロイドも局所投与が著効する例から内服薬の減量のたびに再発を繰り返す例まで、その反応は様々です。ステロイドの局所投与が有効なものの、眼圧上昇を来すために継続投与ができないこともありますし、激しい疼痛のためにステロイドの内服を減量、中止することができず、副作用対策に追われることも少なくありません。
 このように厄介な強膜炎を中心に、薬物療法について具体例を示しながら解説させていただきます。

 
2. 強膜炎の外科的治療

高橋 浩
日本医科大学眼科

 強膜炎は基本的に薬物治療で対処すべき疾患ですが、まれに壊死性強膜炎や強膜軟化症では外科的治療が必要となります。保存的治療が無効で強膜融解が進行した場合や、穿孔した場合はもちろん、極度の菲薄化により眼球形態が保てないような場合には、保存強膜あるいは保存角膜による菲薄部パッチを行います。菲薄部周辺の組織は正常で、パッチは意外としっかり生着する場合が多いようです。パッチに保存強膜を使用するか、保存角膜を使用するかについては意見が分かれます。いずれにしても外科的治療の成否を分けるのは結局のところ術前後に並行して行う消炎治療です。強膜組織の特徴に触れながら、自験例をご紹介します。

▲上へ戻る
 
16:30〜17:30 Section 3 白内障

座 長 常岡
東京慈恵医科大学眼科学教室

Profile1976年東京慈恵会医科大学卒業。1981年医学博士の学位受領後、1985年国立相模原病院眼科医長、1990年東京慈恵会医科大学眼科学講座講師、1996年東京慈恵会医科大学眼科学講座助教授、 2000年東京慈恵会医科大学附属第三病院眼科診療部長を経て2007年東京慈恵会医科大学眼科学講座主任教授就任。

 
多焦点眼内レンズの未来

ビッセン宮島弘子
東京歯科大学水道橋病院眼科

 多焦点眼内レンズは約20年前から存在するが、正確な眼内レンズ度数決定や角膜乱視対策ができていなかったため、利点より問題点が前面にでて注目度が低かった。近年、LASIK (laser in situ keratomileusis)に代表される屈折矯正手術の普及で、良好な裸眼視力が要求されるようになり、遠方のみならず近方も日常生活に有用な視力が得られる多焦点眼内レンズが復活したともいえる。多焦点眼内レンズが徐々に普及する中、レンズデザインも進化し、近方加入度の異なるレンズ、角膜乱視矯正を同時に行うトーリック機能が付加されたレンズが登場した。これらの新しいレンズとその臨床成績を紹介しながら多焦点眼内レンズの未来について考えてみたい。

 
なぜ多焦点眼内レンズは流行らないのか

藤田 善史
藤田眼科

 欧米では、白内障および老視治療の選択肢の一つとして多焦点眼内レンズがとりあげられ、その成績が多く報告されている。一方、本邦では白内障に対する眼内レンズの選択肢としても、多焦点眼内レンズは広く普及していないのが現状である。自費診療で患者負担が大きいこと、コントラスト感度の低下、グレア、ハローなどの問題で白内障手術医が積極的に導入しにくい点もあるが、実際に使用してみると、その手術成績はきわめて良く患者満足度も高い。ポイントは、術前検査をしっかり行い症例選択を誤らないこと、術前説明を丁寧に行うことである。今回の東京眼科アカデミーでは、流行らない理由をさまざまな角度から検討するとともに、間違わない多焦点眼内レンズの使用法について解説する。

▲上へ戻る
 
17:30〜17:45 Break
 
17:45〜18:45 特別講演 「緑内障」

座 長 村上 晶
順天堂大学医学部眼科

Profile1981年順天堂大学医学部卒業。1981年順天堂大学医学部附属順天堂医院眼科臨床研修医、1982年順天堂大学医学部眼科学講座助手。1984年日赤医療センター眼科医員、1986年国立精神神経センター神経研究所流動研究員。1988年米国National Eye Institute留学(研究員)、1989年マイアミ大学医学部眼科留学(客員研究員)。1992年防衛医科大学校眼科講師、2000年順天堂大学医学部眼科講師を経て、2003年1月順天堂大学医学部眼科教授就任。

 
緑内障臨床 本音の話

木内 良明
広島大学医歯薬学総合研究科視覚病態学

 世界から遅れること何十年かわかりませんが、合剤点眼液が臨床で使えるようになり、2011年8月にはインプラント手術も第1号の公知申請が認められました。新しいFD-OCTも広まりつつあり、これからの日本の緑内障診療は大きく変わりそうです。
 FD-OCTを使うと緑内障の早期発見もOKです?患者さんが点眼する薬剤数も減り、コンプライアンスも向上してみんな幸せか。緑内障手術が必要になっても線維柱帯切除術の代わりにインプラント手術がある。
 学会ランチョンやメーカーの話を聞くと素晴らしいのですが、毎日がバラ色の緑内障ライフをおくることができる。と思っている先生は一人もいないでしょう。何がおかしいの?

 
18:45〜 情報交換会
 
▲上へ戻る