2017311日(土) 14:50〜18:50
 
14:50〜15:00 Opening Remarks

坪田 一男
慶應義塾大学医学部眼科学教室 教授

 
15:00〜16:00 Section 1 角結膜

座 長 村上 晶
順天堂大学医学部眼科 教授
 
眼科プライマリケアに近づいてきた角膜移植術

村上 晶
順天堂大学医学部眼科 教授

Profile1981年順天堂大学医学部卒業。同年順天堂大学医学部附属順天堂医院眼科臨床研修医、82年順天堂大学医学部眼科助手。84年日赤医療センター眼科医員、86年国立精神神経センター神経研究所流動研究員。88年 米国National EyeInstitute留学(研究員)、89年マイアミ大学医学部眼科留学(客員研究員)。92年防衛医科大学校眼科講師、2000年順天堂大学医学部眼科講師を経て、03年順天堂大学医学部眼科教授(大学院併任)就任、現在に至る。日本眼科学会理事、日本コンタクトレンズ学会理事、日本眼光学学会理事、日本眼薬理学会理事、日本角膜移植学会理事、日本失明予防協会監事、WHO 指定西太平洋地区失明予防研究協力センター長。

角膜移植は、パーツ移植が進歩し手術の低侵襲化も図られ、より多くの患者さんがその恩恵を受けられるようになってきました。角膜内皮移植は、全層角膜移植に比べて眼球の強度が保たれることで高齢者にも安心な手術になっています。一方、これまで全層角膜移植でしか対応できないと考えられていた疾患にも、深層層状角膜移植(deep anterior lamellarkeratoplasty:以下DALK)も良い成績をあげています。また、角膜穿孔予防や、進行した角膜輪部・強膜疾患など、角膜グラフトを上手に使うことで病気の沈静化をはかることもよく行われています。角膜グラフトを用いた手術の例を紹介しながら、角膜移植がより日常診療に近づいていることを実感していただきたいと思います。

 
真菌性角膜炎の診断と治療

井上 幸次
鳥取大学医学部視覚病態学 教授

Profile1981年大阪大学医学部卒業、87年大阪大学医学部大学院修了、88年大阪大学眼科助手。89年UCSFプロクタ−研究所研究員、93年大手前病院眼科部長。96年大阪大学眼科講師、98年大阪大学眼科助教授、2001年鳥取大学視覚病態学教授、現在に至る。

真菌性角膜炎は中国やインドでは細菌性角膜炎を上回る多数の症例があるが、わが国では比較的稀な疾患であり、それだけに経験値が低いことも手伝って、診断・治療に苦慮することが多い。これには、起因真菌が多岐にわたること、培養が困難で時間がかかること、ステロイド点眼使用が関連していること、感受性検査が十分確立されていないこと、もっとも効果のあるピマリシンで副作用が多いこと、などさまざまな要因が複雑に関連している。本講演では、日本眼感染症学会で行った多施設共同観察研究の結果を中心に、難治症例の紹介も交えながら、現在のわが国における真菌性角膜炎の診療についてまとめてみたい。

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16:00〜16:10 Break Time
 
16:10〜17:10 Section 2 アンチエイジング

座 長 坪田 一男
慶應義塾大学医学部眼科学教室 教授
 
ドライアイの新しい考え方と最新治療

坪田 一男
慶應義塾大学医学部眼科学教室 教授

Profile1980年慶應義塾大学医学部卒業。83年国立栃木病院眼科医長。85年ハーバード大学留学、87年同大学角膜クリニカルフェローシップ修了。国立栃木病院眼科医長、東京歯科大学教授等を経て、04年より現職。日本抗加齢医学会理事長、日本白内障屈折矯正手術学会理事、日本コンタクトレンズ学会理事、日本眼科学会評議員、日本角膜学会理事、日本再生医療学会理事、ドライアイ研究会世話人代表など。

ドライアイ研究会よりTFOT(涙液層別治療)の概念が提唱され、臨床に使われるようになってきた。この考え方は、涙液層の安定性をドライアイの中心に考えるものである。さらに最近はここに“Neuropathic Pain” (神経症的な痛み)という考え方が導入されて、ドライアイは涙液の不安定性と症状(痛み)の混合であることがわかってきた。これにともなって日本およびアジアのドライアイ研究会では新しい診断基準を提唱している。そこで今回新しく提唱された診断基準を中心に、なぜそのような変更が必要になってきたのか、新しい考え型の概要、およびそれに ともなって進歩しつつあるドライアイ治療のアップデートについて概説する。

 
栄養応答シグナル制御による健康寿命の延伸

古家 大祐
金沢医科大学糖尿病・内分泌内科学 教授

Profile1984年滋賀医科大学医学部医学科卒業、同年滋賀医科大学医学部附属病院第三内科。86年千里保健医療センター新千里病院内科医員、89年滋賀医科大学医学部附属病院第三内科医員、92年同大学医学部附属病院第三内科助手。94年ジョスリン糖尿病センター研究員、97年滋賀医科大学医学部附属病院第三内科助手、2004年同大学医学部附属病院内科講師。05年金沢医科大学内分泌代謝制御学教授、10年金沢医科大学糖尿病・内分泌内科学教授(講座名変更)。13年金沢医科大学病院副院長併任、現在に至る。

加齢は、あらゆる組織や器官の機能喪失を引き起こし生命や健康寿命に悪影響を与える。一方、カロリー制限(CR)は加齢関連疾患を防止に加え寿命延伸に繋がることが、様々な動物で明らかにされてきた。CRは、多面的な効果を発揮し代謝異常を改善する。なかでも、サーチュイン活性化に伴うオートファジー機構の維持によって、ミトコンドリアが正常に機能することが重要である。実際、上記のメカニズムを介してCRは糖尿病あるいは加齢に伴う腎障害を改善する。ところが、最近、CRかあるいは三大栄養素であるたんぱく質のどちらが健康長寿に繋がるのかが注目されてきた。我々も、たんぱく質制限によるオートファジー機構の維持が代謝異常ばかりでなく腎障害も改善されることを、また他の研究者から寿命延伸に繋がることも報告された。本アカデミーでは、最近のトピックも踏まえ健康長寿達成に繋がる栄養応答シグナルを紹介する。

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17:10〜17:40 Section 3 目からウロコ

座 長 後藤 浩
東京医科大学臨床医学系眼科学分野 主任教授
 
患者の目線

森 秀夫
大阪市立総合医療センター眼科 部長

Profile1980年3月京都大学医学部卒。90年12月〜93年3月高松赤十字病院眼科部長、93年4月〜94年12月大阪赤十字病院眼科副部長、94年12月〜2000年6月大津赤十字病院眼科部長。同年7月〜大阪市立総合医療センター眼科部長、現在に至る。

昨今どんな病気・治療に関してもインフォームドコンセントが必要とされ、患者側の同意がなければ医療を進めるのが困難な状況です。しかし、医療者側が正しいことを患者に説明したとしても、その内容が正しく理解されているかどうかには大いに疑問が残ります。今回は角膜移植と黄斑疾患を例にとり、患者側の理解不足により発生したいくつかのアネクドートをお話ししたいと思います。

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17:40〜17:50 Break Time
 
17:50〜18:50 Special Lecture 1

座 長 坪田 一男
慶應義塾大学医学部眼科学教室 教授
 
緑内障による黄斑部障害

福地 健郎
新潟大学大学院医歯学総合研究科視覚病態学分野 教授

Profile1985年新潟大学医学部卒業、91年新潟大学大学院修了、同年新潟大学附属病院助手。92年シカゴ・イリノイ大学留学、2005年新潟大学大学院医歯学総合研究科講師、12年同教授、現在に至る。

SD-OCTによって黄斑部網膜内層厚測定が可能になったことから、緑内障眼において従来考えられていたよりもはるかに早期から、はるかに高率に、かつはるかに中心窩近傍に視神経障害が生じていることが明らかになった。黄斑部視野はHFA24-2では詳細の観察は不可能で、HFA10-2で判定する必要がある。緑内障眼において、視力はHFAによる中心窩閾値と相関する。また、中心窩閾値と強く相関する10-2測定点は、乳頭から中心窩に向かう領域に集中する。さらにこの視野の領域に相当する眼底の領域の網膜内層厚は中心窩閾値と相関する。つまり、OCTによる測定で中心窩の視機能を評価できる可能性がある。一方、SS-OCT+En face画像によって残存する黄斑部網膜神経線維束が明瞭に観察できる。この画像とHFA10-2の感度低下を伴う領域は良く一致する。緑内障性黄斑部障害の機能と形態についての理解をさらに深め、治療と管理に生かしていくことができれば、視力を含む中心窩視機能をより良好に維持することが可能となり、ひいては緑内障患者のQOL維持により貢献できる可能性が高い。

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18:50〜 情報交換会
 
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