この度、第17回日本抗加齢医学会総会を担当させていただくことになり、たいへん身の引き締まる思いでおります。会員の皆様には謹んで深くお礼申し上げます。
ご存知のように抗加齢医学は学問的にこの10数年の間に飛躍的に進歩してきました。抗加齢医学における基礎研究から生まれた知識を応用して実践したいという願いは、諸外国よりも超高齢化の進んでいるわが国においては切実なものと考えます。基礎研究エビデンスとヒト疫学研究の成果を実践へ繋いでいきたいという願いは、第16回総会山岨達也会長のテーマ「Antiaging Science: from Molecule to Life」に込められていると思います。第17回総会では、さらに、その成果が実臨床に結びついてくように願いを込めて「Anti-aging Breakthroughs」とさせていただきました。実臨床までの道のりはたいへん険しい山谷がありますが、諸外国の勢いは並大抵ではありません。実践に至るためにはしっかりとした基礎研究や疫学研究が必要であり、現在、伊藤裕プログラム委員長のもとに素晴らしいプログラムを企画中でございますが、また、会員の皆様からも多くのご報告を期待して止みません。
抗加齢医学の発展には、多くの分野の人々が一つの目標を目指して研究・実践を行っていく必要があると思います。未だにその目的地はよくわかっていません。そのようなイメージを宇宙の未知なる目標へ向かうポスターの図柄とさせていただきました。わが国の輝かしく永続する将来、多くの人々がますます抗加齢研究を理解するような時代を期待します。
第17回総会は、東京フォーラムを会場として久しぶりの東京での開催となります。東京も2020年オリンピックに向かい建築ラッシュで益々活気に溢れていますので、多くの皆様の参加を期待申し上げます。
会長 齋藤 英胤
慶應義塾大学大学院薬学研究科薬物治療学